研究課題/領域番号 |
14205143
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
斎藤 宏文 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙情報・エネルギー工学研究系, 教授 (80150051)
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研究分担者 |
戸田 知朗 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙情報・エネルギー工学研究系, 助手 (60321569)
山本 善一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙情報・エネルギー工学研究系, 教授 (60183985)
小野 高幸 東北大学, 理学系研究科, 教授 (10141996)
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キーワード | 深宇宙探査 / 超遠距離通信 / 測距技術 / ターボ符号 / 地上局 |
研究概要 |
木星探査を可能とするような、低受信レベルの信号回線を成立させるためにターボ符号の導入を目指す。今年度は、そのために以下の2群に分類される基板開発を行った。 CCSDS(Consultative Committee for Space Data Systems)に準拠したターボ符号復号器の開発を行った。復号器はVMEバスフレーム用の構成基板として構築される。信号処理基板は、Xilnks社製XC2V3000 3Mgatesを2つ搭載したFPGAモジュールをVME I/F用の基板に載せる体裁を取り、ここにlogMAP復号法によるターボ復号器のプログラムを組み込む。ターボ復号器は、フレーム同期後の1フレームを入力とし、デインターリーブ、logMAP復号、内部状態を保存するメモリ、計算過程を一時的に保存するバッファから構成される。動作速度としては当初64kbpsを目標としたが、これを上回るビットレートは確保される見通しが立っていて、深宇宙回線としては十分な速度である。また、符号化器も閉ループによる実験を行うために製作した。 これとは別に、昨年度製作したフレーム同期へ繋がる中間周波数以降の信号処理を行う基板を開発した。開発したものは、シンボル同期、時刻情報付加、キャリア/サブキャリア復調を担う複数の基板である。このうち、時刻情報の付加は、ターボ符号そのものとは関係がないが、科学衛星の観測情報として地上システムでの受信時刻を正確に記録することが求められ、この時刻情報をシンボル同期時に各シンボルに付加し、フレーム同期時にはフレーム単位に付け直す仕様で開発を行ってきた。シンボル同期がこの開発の主たる部分であり、ターボ符号の真価が発揮される低品質の信号に対しシンボル同期を可能とするものである。
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