研究概要 |
有限要素法を適用して連続防撓パネルの圧壊挙動を解析しようとする場合,パネル部分に対してはシェル要素でモデル化する。一方,防撓材に関しては,(1)全体を梁・柱要素でモデル化,(2)ウェブもフランジもシェル要素でモデル化,(3)ウェブはシェル要素;フランジは梁・柱要素でモデル化の3つのモデル化方法がある。これらすべてのモデル化について検討し,防撓材とパネル寸法に応じて,どのモデル化が最適であるかを明らかにした。 つぎに,パネルに防撓材が非直角に取り付けられた連続防撓パネルを対象として一連の有限要素法解析を実施し,取り付け角度が90度から60度の範囲では,圧壊挙動および圧壊強度にほとんど差が見られないこと,45度より小さくなると強度低下が見られることが明らかになった。 曲面板の圧壊挙動と圧壊強度を明らかにするために一連の有限要素法解析を実施した。解析で得られた結果に基づき,局面板の圧壊挙動を平均応力〜平均ひずみの関係で再現する簡易力学モデルを構築した。 防撓材の初期たわみが連続防撓パネルの座屈崩壊挙動に及ぼす影響を明らかにする目的で,パネルの局部座屈,防撓材の曲げ捩り座屈,防撓材のトリピングなどの座屈挙動を,パネルと防撓材,防撓材ウェブとフランジの相互影響を考慮しつつ追跡できるよう,パネルと防撓材ウェブは板で,一方,防撓フランジは梁・柱でモデル化して,弾性大たわみ解析を実施するための定式化を行い,解析コードを作成した。 最後に,水圧と長辺方向圧縮の組合せ荷重を受ける連続パネルの座屈崩壊挙動を明らかにするために有限要素法による一連の崩壊解析を実施した。一方,解析的に座屈挙動を追跡するために弾性大たわみ解析の定式化を行い,有限要素法解析の結果との比較を通して定式化の妥当性を検討した。その結果,モデル化範囲の設定が不適切であったことが判明した。
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