研究課題
基盤研究(A)
3年間に渡り、以下の項目に対して研究を実施した。(1)防撓パネルの圧壊挙動解析に際しての防撓材のモデル化方法に関する考察最も効率的なモデル化は、ウェブをパネルに、フランジを梁・柱にモデル化することであることを明らかにした。(2)防撓材の取付け角度が防撓パネルの圧壊挙動に及ぼす影響に関する考察取付け角度は、局部座屈には影響を及ぼさないが、全体座屈および圧壊強度到達後の耐力に影響を及ぼすことを明らかにした。(3)複合荷重を受ける防撓パネルの理想化構造要素法を適用した圧壊挙動解析矩形パネル理想化構造要素を梁・柱要素と組合わせて解析するコードを開発し、2軸圧縮および水圧の複合荷重を受ける連続防撓パネルの圧壊挙動を精度良く再現できることを確認した。(4)曲面防撓パネルの座屈崩壊挙動の解明曲率の増加に伴って弾性座屈強度がほぼ線形に増加して行くこと、また、実船の寸法を有している場合には基本的には塑性座屈が発生し、ほぼ降伏強度に達する最終強度が期待できることが明らかとなった。(5)防撓材の残留応力が防撓パネルの圧壊挙動に及ぼす影響に関する考察T型の組立て材およびロール材の防撓材では、ウェブとフランジの接合線近傍で残留応力の正負が逆になること、しかし、これが防撓パネルの圧壊強度に及ぼす影響は小さいことが明らかになった。(6)防撓材のトリピング崩壊連続防撓パネルを対象として一連の弾性/弾塑性大たわみ解析を実施し、基本的には全体曲げの圧縮側に位置する防撓材のウェブでトリピング座屈が発生することを明らかにした。ただし、発生条件に関しては未解明である。(7)アルミ製防撓パネルの圧壊挙動と圧壊強度に関する研究押出し材を継いだアルミ製防撓パネルでは、溶接残留応力の影響で圧壊強度が上昇すること、一方、溶接部の軟化の影響は圧壊強度を低下させることが明らかになった。
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