研究分担者 |
新堀 雄一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90180562)
土屋 範芳 東北大学, 大学院・環境科学研究所, 助教授 (40207410)
林 一夫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30111256)
高橋 亨 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50323051)
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研究概要 |
平成15年度には以下の研究を行うことにより,超臨界水環境下における応力腐食割れの基礎特性に関する知見を得た. 研究1.超臨界水誘起微視割れの透水特性に及ぼす影響:花こう岩を対象に,露頭岩石として飯館,筑波,滝谷産の3種類の花こう岩ならびに葛根田地熱フィールドの5つの異なる深度から採取された深部花こう岩を用い,円筒試験片による透水実験を実施した.3種類の露頭花こう岩ならびに5深度から採取された深部花こう岩については岩種によらず,水の臨界点を超えた温度条件で微視割れが誘起され透水率が上昇することを示し,超臨界水誘起微視割れが花こう岩一般に観察される現象であることを見出している.ただし,深部花こう岩においては,水の臨界点を超えた条件での透水率は露頭花こう岩に比較すると小さな値であった.この実験結果は,超臨界水誘起微視割れ現象は化学的な効果に応力効果が重畳して発生していることを示唆しているものと考えている. 研究2.超臨界水環境下における応力腐食割れの破壊力学的解明:英国で開発されたHigh Temperature Bridge Cellを利用し,超臨界水環境下における応力腐食割れ実験を行うための装置の整備ならびに予備的実験を行った。高温高圧水環境下で一定の負荷を安定的に作用させられるように油圧制御部の改良を行い,ショートロッド破壊靭性試験片を用いた応力腐食割れ実験を実施した.これにより,本システムを用いることにより超臨界水環境下においてき裂進展データを取得できることを示した.系統なデータの取得を今後も継続し,破壊力学的パラメータに基づくき裂進展速度線図を作成する.本研究課題の検討を支援するために,円筒内圧試験片を用いた模擬水圧破砕実験を行い,超臨界水環境下では亜臨界水環境下では見られない注入井から複数個の巨視き裂が発生することを見出している.
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