研究課題/領域番号 |
14206002
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三位 正洋 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30093074)
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研究分担者 |
中村 郁郎 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50207867)
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キーワード | 体細胞多倍数性 / フローサイトメトリー / DNA含量 / 倍数体 / endoreduplication / polysomaty / 形質転 |
研究概要 |
Polysomatyに関連する遺伝子による形質転換、組織内における倍数性細胞の分布と発育、環境条件との関連について、以下の研究を行った。 (1)polysomatyに関与すると考えられているCCS52遺伝子を、花弁特異的なプロモーターをつけてpolysomatyを持たないペチュニアへ導入し、形質転換植物を育成した。ペチュニアの花弁では本来まったくpolysomatyを示さないことがわかっているが、導入個体では蕾の発育が阻害される現象がみられたものの、polysomatyは誘起されなかった。 (2)polysomatyを有するキャベツの胚軸組織から核を単離し、メッシュにより直径の違いによる核の分別を行った。分別した核を個々にフローサイトメトリー分析した結果、核のサイズと倍数性に高い相関があることが判明した。この結果をもとに、組織内の核を染色し、そのサイズから高次倍数性細胞の分布を明らかにした。キャベツではさらに明所と暗所で発芽させた実生の胚軸におけるpolysomatyのレベルを比較した。その結果、光条件がpolysomatyのレベルに影響を与えることが明らかとなった。さらに培地中のリン酸含量がpolysomatyに大きな影響を与えることを明らかにした。 (3)ホウレンソウの発芽過程におけるpolysomatyの変動を調査した結果、polysomatyは種子中の胚では見られず、発芽の過程で誘起されることを明らかにした。 (4)polysomatyを持たないDianthus acicularisの培養細胞において、細胞の倍加と再分化能が密接に関連し、倍加によって再分化能が極端に低下すること、細胞の外観によってもとの倍数性レベルを維持した細胞の選抜、すなわち分化能を維持したままの長期間継代が可能なことを明らかにした。
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