研究課題/領域番号 |
14206012
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮川 都吉 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10116676)
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研究分担者 |
平田 大 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (30243603)
水沼 正樹 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (10343295)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | Saccharomyces cerevisiae / Ca^<2+>シグナル伝達 / カルシニューリン / 細胞周期制御 / S-アデノシルメチオニン / 浸透圧応答経路 / 細胞周期チェックポイント / プロテインキナーゼC |
研究概要 |
Ca^<2+>シグナルによる酵母の細胞周期制御の詳細及び生理的意義を解明するために、この経路に欠陥を有する変異株(scz変異と命名)を多数取得し、順次解析を行った。主な成果は以下の通り。 (1)変異株の取得及び遺伝解析:Ca^<2+>シグナル経路に欠陥のある変異株をさらに分離・遺伝解析し、すでに明らかにした相補群に加え、新たな相補群が明らかになり、計22相補群となった。 (2)scz13株の解析結果:scz13変異はS-アデノシルホモシステイン(AdoHcy)遺伝子(SAH1)における変異で、野生株に比較して細胞内のAdoHcyおよびAdoMetを大量蓄積し、G1期遅延が観察された。細胞内AdoHcyおよびAdoMetレベルの上昇により、CLN2およびSWE1遺伝子の発現が著しく抑制されたことから、Ca^<2+>シグナルによる細胞周期制御抑制機構が明らかになった。 (3)scz6株の解析結果:scz6変異はプロテインキナーゼC(Pkc1p)をコードする遺伝子(PKC1)における変異であることが明らかになった。Mpk1MAPキナーゼ経路の活性化を介する細胞壁合成制御とは異なる、Pkc1pの新規機構によりG1サイクリン(Cln2pなど)の発現制御を通してFアクチンの極性化、ひいては細胞の極性化を制御していることを明らかにした。 (4)カルシニューリンが関与する増殖制御:カルシニューリンと浸透圧応答(HOG)経路が拮抗的に細胞増殖を制御することを見出した。カルシニューリンは、は出芽部位におけるアクチン極性化を負に制御し、HOG経路はアクチン極性化後の芽の形成を正に制御することを明らかにした。本機構は、浸透圧変化に対応し、出芽を調節する細胞増殖の重要な制御機構である。
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