研究課題/領域番号 |
14206013
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田原 哲士 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50001475)
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研究分担者 |
福士 幸治 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (60218906)
橋床 泰之 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40281795)
吉原 照彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90002071)
崎浜 靖子 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10344491)
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キーワード | Aphanomyces cochlioides / 形態変化 / 情報伝達物質 / 宿主認識化合物 / 拮抗性根面細菌 / xanthobaccin A / 菌糸分岐誘導 |
研究概要 |
ホウレンソウ根腐れ病菌Aphanomyces cochlioides遊走子を用い、その形態変化の過程を透過型電顕によって追跡した。その結果、被のう胞子形成過程では、膜内部に隣接する小胞体様のオルガネラからプロティオグリカンらしき物質が放出され、外部を外膜状に被うことが分かった。また、いくつかの抗生物質に晒された遊走子は、被のう胞子形成初期にミトコンドリアの盛んな分裂と変形が見られた。 ホウレンソウやテンサイなどに付く機能性根面細菌との共接種によって、A. cochlioidesの菌糸伸長が停止する現象を見いだした。この際、菌糸の伸長部先端は、菌糸の異常な多枝分岐によるカリフラワー様構造への形態変化や菌糸末端やノッドの異常膨張など、様々な形態変化誘導を受けていた。興味あることに、数十の分岐菌糸からなるカリフラワー様構造の菌糸末端それぞれには、蛍光染色ではっきりと染まる核が存在していた。 遊走子を加水分解性タンニンで処理すると、遊走子は多量の顆粒を放出して破裂するが、その機構はアポトーシスとは異なり核の崩壊を伴わないことが分かった。 Aphanomyces cochlioides遊走子の宿主認識因子としてテンサイから得られたcochliophiline Aをベースにしたビオチン化フラボンフォトアフィニティラベル試薬を用いたcochliophiline A認識レセプターの検出を目指し、ビオチンを認識するストレプトアビジンゴールド(金粒子を結合させストレプトアビジン)を反応させた場合、膜表面のみに金粒子を検出することができた。従って、生体膜上にビオチン化フラボンと特異的結合する、cochliophiline A受容性膜結合タンパクが存在することが示唆された。
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