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2003 年度 実績報告書

卵質改善を目的としたウナギの卵形成機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14206022
研究機関北海道大学

研究代表者

山内 晧平  北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (10109514)

研究分担者 足立 伸次  北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (40231930)
原 彰彦  北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (40091483)
キーワードニホンウナギ / アンドロゲン / 11-ケトテストステロン / メチルテストステロン / 卵母細胞 / 油球 / アロマターゼ阻害剤 / ステロイド合成酵素
研究概要

昨年度、未成熟雌ウナギにアンドロゲンである11-ケトテストステロン(11-KT)を、サイラスチックチューブを用いて投与することで、前卵黄形成期の卵母細胞の成長(油球蓄積)を促進できることを報告した。本年度は、11-KTより安価なテストステロン(T)や17α-メチルテストステロン(MT)の経口投与が、初期卵成長を促進するか否かを検討した。その結果、前卵黄形成期の卵母細胞の成長促進に、MT経口投与が有効であることが示された。しかし、その効果が顕著にみられるのは、卵母細胞が約100μm程度に達してからであると思われた。
これまでに、人為催熟ウナギの血中エストラジオール-17β(E2)量及びE2合成酵素であるアロマターゼmRNA量は自発成熟する他魚種とは異なり最終成熟期に至っても低下しないことが判っている。そこで卵成長後期のウナギにアロマターゼ阻害剤(AI)を投与しE2合成を抑制した結果、血中のE2の動態を自然に成熟が進行する他魚種のそれに近づけることができ、さらに天然状態に近いと思われる囲卵腔の広い受精卵を得ることができた。従って、人為催熟法を改良する手段の一つとしてAI投与が有効であると思われた。
また、各種ステロイド合成酵素のタンパクレベルの変化を調べるため、ウナギのコレステロール側鎖切断酵素(P450scc)、17α-水酸化酵素/C17-20側鎖切断酵素(P450c17)およびアロマターゼ(P450arom)それぞれの組換えタンパクに対する特異抗体を作製した。その結果、3種の酵素の特異抗体を作製することができた。中でもP450scc抗体は、他の多くの魚種にも使用可能であることが確認された。しかし、P450c17およびアロマターゼ抗体は一部の魚種しか使用できないことが判った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Saito K.: "Follicle-stimulating hormone β, luteinizing hormone β and glycoprotein hormone α subunit mRNA levels in artificially maturing Japanese eel, Anguilla japonica, and naturally maturing New Zealand longfinned eel, A. dieffenbachii"Fisheries Sci.. 69. 146-153 (2003)

  • [文献書誌] Saito K.: "In vitro induction of luteinizing hormone synthesis by estrogen in organ-cultured pituitary glands of the Japanese eel, Anguilla_japonica"Zool.Sci.. 20. 69-73 (2003)

  • [文献書誌] Lokman P.M.: "Ovarian mitochondrial cytochrome b mRNA levels increase with sexual maturity in freshwater eels (Anguilla spp.)"J.Comp.Physiol.B. 173. 11-19 (2003)

  • [文献書誌] Ijiri S.: "Characterization of a cDNA encoding P-450 aromatase (CYP19) from Japanese eel ovary and its expression in ovarian follicles during induced ovarian development"Gen.Comp.Endocrinol.. 130. 193-203 (2003)

  • [文献書誌] Matsubara H.: "Changes in mRNA levels of ovarian steroidogenic enzymes during artificial maturation of Japanese eel Anguilla japonica"Fisheries Sci.. 69. 979-988 (2003)

  • [文献書誌] Kazeto Y.: "Molecular cloning and characterization of 3 β-hydroxysteroid dehydrogenase/Δ5-Δ4 isomerase cDNAs from Japanese eel ovary"J.Steroid.Biochem.Mol.Biol.. 85. 49-56 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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