• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

魚貝類アレルゲンに関する分子生物学的研究および低減化への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14206026
研究機関東京海洋大学(水産)

研究代表者

塩見 一雄  東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (90111690)

研究分担者 石崎 松一郎  東京海洋大学, 海洋科学部, 助手 (40251681)
潮 秀樹  東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (50251682)
八村 敏志  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40238019)
キーワード魚貝類 / アレルゲン / パルブアルブミン / トロポミオシン / cDNAクローニング / モノクローナル抗体 / IgE結合エピトープ / アレルギー発症モデルマウス
研究概要

1.5種魚類(マイワシ、マアジ、チダイ、マサバ、カツオ)のパルブアルブミン(PA)および2種頭足類(アカイカ、マダコ)のトロポミオシン(TM)をコードするcDNAをクローニングし、塩基配列および演繹アミノ酸配列を明らかにした。マアジとマサバについては普通筋と血合筋のPAは同一であることも示した。
2.マサバPAを大腸菌で発現し、精製したリコンビナントPAは天然マサバPAと同等のアレルゲン性を有すること、各種魚類PAと抗原交差性を示すことを確認した。
3.マサバPAおよびアメリカンロブスターTMについて全長をカバーする15残基のオーバーラップペプチドを合成し、阻害ELISAにより主要なIgE結合エピトープを含む領域を推定した。
4.アメリカンロブスターTMに対するモノクローナル抗体(MAb)を作製し、MAb 5G5E1は甲殻類のTMを特異的に認識すること、MAb 2A7H6は甲殻類および軟体類の両者のTMを認識するとともに甲殻類アレルギー患者の血清IgEと類似したエピトープを認識することを明らかにした。
5.アメリカンロブスターTMでBALB/cマウスを免疫し、リンパ節細胞をTMで繰り返し刺激することによりTM特異的T細胞株を樹立し、その性状を明らかにした。一方、卵白アルブミンTCRトランスジェニックマウスに卵白飼料を摂取させると腸管にIL-4産生能の高いTh2細胞が誘導されることを認め、本マウスのPAやTMの経口摂取によるアレルギー発症モデルへの応用が期待された。
6.各種魚類、甲殻類、軟体類の抽出液についてイムノブロッティングによりアレルゲンを検索し、魚類の主要アレルゲンはPAであること、甲殻類と軟体類の主要アレルゲンはお互いに抗原交差性を示すTMであることを再確認するとともに、アワビなど数種軟体類に未知アレルゲンを検出した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 松倉節子: "アトピー性皮膚炎に合併した魚類によるOral allergy syndromeの1例"アレルギーの臨床. 23(1). 74-77 (2003)

  • [文献書誌] Yuki Hamada: "Purification, reactivity with IgE and cDNA cloning of parvalbumin as the major allergen of mackerels"Food Chem.Toxicol.. 41(8). 1149-1156 (2003)

  • [文献書誌] Yuki Hamada: "Reactivity of IgE in fish-allergic patients to fish muscle collagen"Allergol.Int.. 52(3). 139-147 (2003)

  • [文献書誌] 濱田友貴: "魚類アレルギー患者血清のカエルパルブアルブミンに対する反応性"食物アレルギー研究会会誌. 3. 83-86 (2003)

  • [文献書誌] Kuniyoshi Shimakura: "Allergenicity of crustacean extractives and its reduction by protease digestion"Food Chem.. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] Kuniyoshi Shimakura: "Purification and molecular cloning of a major allergen from Anisakis simplex"Mol.Biochem.Parasitol.. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] Masao Goto: "Antigen feeding enhances frequency and antigen-specific proliferation ability of intraepithelial CD4^+ T cells in αβ T cell receptor transgenic mice"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 67(6). 1223-1229 (2003)

  • [文献書誌] Tomohiro Kaji: "Proteome analysis reveals caspase activation in hyporesponsive CD4 T lymphocytes induced in vivo by the oral administration of antigen"J.Biol.Chem.. 278(30). 27836-27843 (2003)

  • [文献書誌] 塩見一雄: "魚貝類とアレルギー"成山堂. 164 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi