研究課題/領域番号 |
14206026
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
塩見 一雄 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (90111690)
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研究分担者 |
八村 敏志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40238019)
潮 秀樹 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (50251682)
石崎 松一郎 東京海洋大学, 海洋科学部, 助手 (40251681)
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キーワード | 魚介類 / アレルゲン / パルプアルブミン / トロポミオシン / cDNAクローニング / モノクローナル抗体 / IgE結合エピトープ / T細胞エピトープ |
研究概要 |
1.イムノブロッティングにより、5種魚類(マイワシ、ブリ、マアジ、マダイ、マサバ)の血合肉に含まれる主要アレルゲンは普通肉同様にパルブアルブミシ(PA)であることを明らかにした。さらにマアジとマサバについては、血合肉と普通肉のPAは同一分子であること、5種魚類の血合肉のPA含量は普通肉より著しく低いことを見いだし、アレルギー発症への血合肉の関与は乏しいと判断した。 2.5種甲殻類(クルマエビ、ウシエビ、タラバガニ、ズワイガニ、シャコ)および5種頭足類(コウイカ、アオリイカ、スルメイカ、アカイカ、マダコ)の主要アレルゲンはいずれもトロポミオシン(TM)であることを確認し、cDNAクローニングにより全一次構造を明らかにした。甲殻類TMのアミノ酸配列は、お互いに90%以上の高い相同性を示した。一方、頭足類TMの配列相同性は90%以上であったが、他の軟体動物のTMとは70-80%、甲殻類TMとは約60%と変異が大きかった。 3.ニジマスコラーゲンα2鎖を5分割して大腸菌で発現し、IgE結合エピトープはC末端領域に含まれることを明らかにした。また、マサバコラーゲンα2鎖についてはcDNAクローニングにより全一次構造を解明した。 4.モノクローナル抗体を用いた表面プラズモン共鳴法は、水産加工食品中のPAの検出に有効であることを認めた。さらに、甲殻類TMに対しては、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を用いるサンドイッチ表面プラズモン共鳴検出法により高感度に検出できることを明らかにした。 5.BALB/cマウスにおけるT細胞エピトープ解析を行ない、マサバPAでは11-25、26-40、56-75の領域が、アメリカンロブスターTMでは146-160、196-210、226-250の領域が認識されていることを示した。現在、Th2型T細胞株誘導のための最適条件を検討中である。
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