研究分担者 |
長澤 徹明 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30002067)
加藤 亮 茨城大学, 農学部, 助手 (10302332)
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 助教授 (20205256)
中野 芳輔 九州大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60038320)
三沢 真一 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (30018791)
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研究概要 |
本年度は,農業州集域に対する流出特性の把握およびそのモデル化に向け下記のような調査を実施した。 北梅道大学:6月から11月まで,道東の酪農地帯に位置する2流域を対象に.河川水文の連続計測並ならびに河川水質の測定を実施した。本年度に分かったことは,(1)平水時の河川水質についてみると,河畔林と湿地を有する流域で観測期間を通じて良好であった。とくにNO_3-Nで顕著な傾向がみられた。(2)降雨出水時には,河畔緩衝帯を有する流域で,懸濁態成分を中心に濃度低下が確認された。現在,以上のような河川の水文水質の挙動について,河畔緩衝帯の影響がどの程度あるのか,またモデル化に際しての河畔緩衝帯のパラメータとしての定義を検討中である。 新潟大学:新潟市近郊にある鳥屋野潟を対象に水質推定モデルの作成を試みている。これまで流入する水質(COD)については、従来から水量が大きくなると濃度が下がり、逆に小さくなると濃度が高くなるという相関が見られたため、C-Q式(C=a・Q-b)より推定した。今年度は、この式に加えて、鳥屋野潟における貯留と混合を考慮して鳥屋野潟の水質濃度の同定を行った。その結果、相関式だけから得られた結果よりかなり適合度の高い結果が得られた。 茨城大学:本年度は,茨城県北浦流域内の山田川支流において,7月より連続調査を実施した。本集水域は畜産負荷が卓越しており,そこからの窒素リンの流出特性を明らかにした。これにより,一般的な農業州水域(茨城県大和田地区)よりも10倍程度の比負荷が流出することが分かった。また,対象流域内において試験圃場を設置し、水田の窒素除去機能についても詳細な調査を行い集水域内の物質収支を定量化する手法に目途が立った。 九州大学:筑後川クリーク地帯において,取水点から末端に至る流路の水質と水管理操作との関連について調査を行った。この結果,有明海に近い末端においては施肥時に高濃度の肥料成分がクリークに集積することを定量的に示した。また,各種水生植物の浄化機能について現地測定,室内実験により定量化を試みた。
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