研究概要 |
平成14年度は当初の計画通り、3つの研究を並行して進めたので、1つ1つに対しての経過を報告する。 1)INFτ遺伝子の発現制御 INFτ遺伝子の上流域に存在するプロモーターとエンハンサーに核タンパクのEts-2とAP-1がそれぞれ結合することを証明した。さらにそれらの核タンパクとコアクチベーターCBPとの結合によってINFτ遺伝子の転写活性がさらに上昇することを示した(Xu et al.2003.Mol.Repro.Dev.,in Press)。また、シバヤギのトロホブラスト細胞で同様の解析を行ったところ、プロモーター領域がエンハンサー領域よりも重要であることが分かった(Matsuda et al.,2003.Placenta, Submitted)。 2)cDNAサブトラクションによる連動遺伝子の解析 サブトラクション法により、妊娠子宮内膜ではCXCケモカイン(IP-10)がINFτと連動していることを証明した(Nagaoka et al.,2003.Biol.Reprod.,In Press)。また、このIP-10が免疫細胞の遊走やトロホブラスト細胞の遊走にも影響を与えている知見も得た。 3)シバヤギTS細胞の開発 その前段階として、シバヤギのトロホブラスト細胞培養系(プライマリー)を確立した。
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