研究課題
1.ウシ主要組織適合遺伝子複合体(BoLA)領域に存在する発現遺伝子のcDNAの単離複数の発現遺伝子と偽遺伝子が密に連鎖している4,000kbを占めるBoLA遺伝子領域に存在するクラスI遺伝子、TAPトランスポーターをコードするTAP1とTAP2遺伝子,ウシクラスII分子の中で唯一未だ転写の確認がされていないDOα及びβ鎖をコードするDOA及びDOB遺伝子のcDNAの単離に成功し、各々の分子構造と他の動物種との進化を解析した。BoLAクラスI遺伝子には3つの発現可能な遺伝子座が存在すること、BoLAクラスI分子による抗原提示に関与するTAPがヒトと同様な機能を有する事、およびウシにおいてもヒトと同様に機能的なDO分子が免疫応答に関与している事が示唆された。2.BoLAクラスII DQA遺伝子のPCR-Sequence based typing(PCR-SBT)法の開発と牛白血病ウイルス(BLV)誘発性白血病発症に抵抗性を示す対立遺伝子の同定BoLAクラスII DR分子をコードする遺伝子はα鎖をコードするDRA及びβ鎖をコードするDRB3のみであるのに対し、DQ分子をコードする遺伝子はα鎖、β鎖ともに5つあり、その遺伝子構成の複雑さからDQ分子のタイピング法は未だ確立されていない。本研究では、顕著な多型を示すDQA1及びDQA2を迅速にタイピング可能なPCR-SBT法を世界に先駆けて開発した。さらに、BLV感染健康牛23頭および白血病発症牛29頭のタイピングを行ったところ、牛白血病発症の抵抗性に関与するDQA1アリルを初めて同定した。さらに、抗原ペプチドを認識するために重要なDQ分子の75番目のアミノ酸残基が、抵抗性と他のアリルの間で異なっていたことから、T細胞に提示される抗原ペプチドの種類が異なることが疾患感受性の個体差が生じる原因である可能性が示唆された。
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