研究課題/領域番号 |
14206036
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高島 郁夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30002083)
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研究分担者 |
森田 公一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40182240)
水谷 哲也 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (70281681)
苅和 宏明 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (70224714)
竹上 勉 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (10113490)
只野 昌之 琉球大学, 医学部, 助教授 (80179712)
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キーワード | 西ナイル熱 / フラビウイルス感染症 / 診断 / 疫学 |
研究概要 |
フラビウイルスの血清診断用抗原を作製するために、ダニ媒介脳炎ウイルスOshima株のprMとE領域をクローニングしプラスミドCAGGSAに挿入し、大腸菌で増殖させた。prMとEの挿入されたプラスミドDNAを人腎細胞由来293T細胞にトランスフェクトさせ、Eタンパク抗原を発現させた。このEタンパク抗原を用いてダニ媒介脳炎のIgM-ELISAおよびIgG-ELISAを確立した。ロシァハバロフスクのダニ媒介脳炎の患者血清83検体を対象としてIgG-ELISAを行い中和試験の結果と比較したところ、敏感度は98.8%、特異度は100%であった。IgM-ELISAでは17名の患者血清のうち16名(94.1%)が陽性と診断された。 次にウエストナイルウイルスと他のフラビウイルスのPCR法による簡便で迅速な鑑別診断法につき検討を加えた。用いたプライマーはウエストナイルウイルスと日本脳炎ウイルスの両者を増幅できるように、NS1とNS2領域にある共通配列を選択した。このプライマーを用いることによりすべてのウエストナイルウイルス株と日本脳炎ウイルス株を増幅することができた。この増幅産物を制限酵素TagIで消化した。TagIの切断パターンによりウエストナイルウイルス株と日本脳炎ウイルス株を区別することができた。さらにウエストナイルウイルスのNY株、Eg101株およびFCG株の区分が可能となった。さらにウエストナイルウイルスを実験感染させたマウスにおいて、死亡個体の脳からPCRによりウイルスRNAを検出できた。
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