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2003 年度 実績報告書

B細胞分化と自己寛容成立のシグナル制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 14207015
研究機関東京理科大学

研究代表者

北村 大介  東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (70204914)

研究分担者 岡本 憲明  東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (10318230)
キーワードB細胞 / 抗原受容体 / アダプター蛋白 / BASH / BLNK / receptor editing / B細胞初期分化 / 自己寛容
研究概要

B細胞特異的アダプターBASHは、Btk, PLCγ2, Vav, Grb2等と結合し、B細胞抗原受容体(BCR)刺激によるPLCγ2やNF-κB、MAPK等の活性化に必要である。BASH欠損マウスでは、成熟B細胞の著減、B細胞の活性化・増殖の欠如、抗体産生低下などの異常がみられた。また、BCRのreceptor editingが障害されていた。本年度は、in vitro抗体産生系により、抗DNA抗体を産生するB細胞の割合がBASH欠損マウスには増加していることが判り、receptor editingが自己反応性B細胞の制限に貢献していることが証明された。
B細胞初期分化が抑制されているBASH欠損マウス、およびCD19との二重変異マウスに発症したプレB細胞白血病を株化した(それぞれBKO, DKO)。これらはpreBCR陽性で、RAG2を発現しているが、κ鎖遺伝子は未再構成型であった。この細胞を用いて、κ鎖再構成を誘導するシグナル経路を解明しつつある。まず、PMA処理によりκ鎖germline転写が増加し、κ鎖再構成が誘導されることが判った。同時に、preBCRの細胞表面での発現が低下した。また、レトロウィルスベクターを用いてBASHの発現を回復させると、PMA刺激と同様にこれらの変化が起こった。したがって、preBCRからのBASHを介する恒常的なシグナルによりκ鎖再構成とpreBCR発現低下が誘導されることが明らかになった。さらに、これらの変化はPKC抑制剤により抑制されたので、このシグナルはPKCの活性化を介するものと考えられた。今後、このシグナル経路の全容を解明したい。
新規に同定したBASH(N末端)結合蛋白BNAS1,BNAS2は両者とも4回膜貫通蛋白と予想され、核膜周囲および細胞質内の一部分に局在すること、それぞれERKの活性化を抑制および増強することが判った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Chen, M.: "Induction of protective immunity by primed B-1 cells in Toxoplasma gondii-infected B cell-deficient mice."Microbiol.Immunol.. 47(12). 997-1003 (2003)

  • [文献書誌] Hayashi, K.: "Distinct signaling requirements for Dμ selection, IgH allelic exclusion, pre-B cell transition and tumor suppression in B-cell progenitors."Immunity. 18(6). 825-836 (2003)

  • [文献書誌] Johmura, S.: "Regulation of Vav Localization in Membrane Rafts by Adaptor Molecules Grb2 and BLNK."Immunity. 18(6). 777-787 (2003)

  • [文献書誌] Fujii, Y.: "Targeting of MIST to Src-family kinases via SKAP55-SLAP-130 adaptor complex in mast cells."FEBS Letter. 540(1-3). 111-116 (2003)

  • [文献書誌] Mizuta, R.: "Molecular visualization of immunoglobulin switch region RNA/DNA complex by atomic force microscope."J.Biol.Chem.. 278(7). 4431-4434 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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