研究課題
基盤研究(A)
個々人のライフスタイルを「8つの健康習慣」(喫煙習慣、飲酒習慣、睡眠時間、運動習慣、栄養バランス、朝食摂取、労働時間、主観的ストレス量)から包括的且つ定量的に評価し、末梢血リンパ球染色体変異、あるいはナチュラルキラー(NK)細胞活性を指標とした健康度との関連性を調査した。その結果、ライフスタイルの良好な集団では、低い染色体変異頻度、及び高いナチュラルキラー(NK)細胞活性が認められ、さらに乳酸菌飲料やエピガロカテキンガレート等の摂取が修飾要因として関連することが明らかとなった。また、唾液中ストレスマーカー(コルチゾール、クロモグラニンA、α-アミラーゼ等)を指標に個々人のストレス反応を精神神経免疫内分泌学的に評価したところ、上記包括的ライフスタイルとの間に有意な関係が認められると共に、温泉入湯や旅行参加等が修飾要因として関連することが明らかとなった。さらには、これらストレスマーカーと、上記ナチュラルキラー(NK)細胞活性、あるいは光トポグラフィーにより定量的に評価された運動野・感覚野等、脳野ごとの活性、即ち高次脳機能との間にも有意な関係が認められた。これら重要な健康指標を個別・包括的に複雑系として解析することにより、個々人の健康年齢あるいは生活元気度の評価を可能にし、さらに個々人のデータを入力することにより具体的なライフスタイル変容が「健康寿命の延伸」及び「高い生き甲斐感の達成」に結びつくことを予知・予測するような健康創造システムを構築した。このシステムは、職域・学校・保健所等さまざまな対象に適用可能である。
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