研究課題
基盤研究(A)
難治性の肺高血圧に対する新しい治療法を開発するために、遺伝子治療、再生治療の側面から以下の多面的な立場から研究を行った。1.既知の標的遺伝子に関する研究1)肺血管リモデリング抑制についての研究:血管リモデリングにはアポトーシスが深く関与するが、hydroxymethyl-glutaryl coenzyme A reductase inhibitorsは種類により異なる経路で血管平滑筋細胞のアポトーシスを誘導する。エンドセリン1、アンギオテンシンIIの心筋アポトーシスへの意義を明らかにした。一方、リモデリングを内因性に抑制する因子であるプロスタサイクリン合成酵素には遺伝子多型と臨床像の対比を行った。2)肺血管再生の可能性についての研究:肺気腫症例においては、循環血液中の内皮内皮前駆細胞のコロニー形成能が著しく減少しており、また安定期冠動脈疾患患者においても同様の所見を認めた。一方、大動脈瘤の修復課程においては逆に増加することが分かり、この違いの機序を解明することにより、血管内皮再生療法に応用できると考えられた。2.遺伝子導入方法に関する研究1)ベクターの開発:AAVベクターにVEGF遺伝子を組み込み、組織虚血動物モデルにおける治療実験において有用性を確認した。2)肺特異的遺伝子導入モデルの作成:線維芽細胞に外来遺伝子を導入し、マウス肺組織に遺伝子発現をきたす実験モデルを作成した。静脈内投与では約2週間、気管内投与では約1週間にわたって、肺局所における高度の遺伝子発現を認めた。3.未知の遺伝子探索の研究ヒト培養肺動脈血管内皮細胞、平滑筋細胞に血管拡張役を投与し、DNAマイクロアレイにより検索した。血管内皮、平滑筋細胞それぞれに特徴的遺伝子発現の変化を認め、プロスタサイクリン、ボセンタンに共通して発現亢進する遺伝子群が存在することをreal-time PCRで確認した。
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