研究課題/領域番号 |
14207030
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東北大学 (2003-2004) 九州大学 (2002) |
研究代表者 |
堂浦 克美 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00263012)
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研究分担者 |
岩城 徹 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40221098)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | コンフォメーション病 / アミロイド / プリオン / ベータ蛋白 / 予防治療薬 / 薬剤スクリーニング / 薬理作用 / 動物実験 |
研究概要 |
本研究は、プリオン病、アルツハイマー病やアミロイドーシスなどのコンフォメーション病に共通した治療予防薬を開発するとともに、その作用機序に関する薬理学的解明を目指したものである。3種のin vitroアッセイ法を用いて治療候補化合物をスクリーニングし、キノリン環化合物、ベンゾチアゾール環化合物、非キノリン環キレート化合物、コンゴーレッド関連化合物、硫酸化多糖などに各種の異常立体構造蛋白質の産生・凝集体形成や神経細胞毒性を抑制し、それ自身の神経細胞毒性が低いものを多数発見した。作用機序に関しては、アミロイド化ペプチドを用いて表面プラズモン共鳴法や円二色性スペクトルで解析した結果、大半の有効化合物がβシート構造の核となる疎水性アミノ酸配列を含む疎水性ポケットに疎水性結合で作用することが推定された。また、疎水性相互作用の強さと凝集阻害効果とは相関するものの、細胞障害抑制効果とは必ずしも相関しないことを明らかにした。in vitroで極めて有効で脳内移行が良好である化合物のうち、代表的なものについて、各種モデル動物において末梢投与での治療効果を評価した。その結果、化合物Aは毒性が見られない低用量の持続経口投与で著明な予防・治療効果を発揮することを明らかにした。また、in vivoでの毒性が極めて低い化合物MCは、皮下への単回投与で最も著明な予防・治療効果を発揮することを明らかにした。なお、in vitroで極めて有効で脳内に容易に移行し異常立体構造蛋白質と結合することが確認できたにもかかわらず、in vivoで有意な効果を示さないものがあり、この原因として異常立体構造蛋白質側の要因以外に宿主側要因も関与している可能性を示した。以上の成果により、コンフォメーション病共通治療薬開発は、次のトランスレーショナルリサーチに向けての準備が整った。
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