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2003 年度 実績報告書

再狭窄・動脈硬化に対する炎症制御による新しい遺伝子治療法の探索研究

研究課題

研究課題/領域番号 14207036
研究機関九州大学

研究代表者

江頭 健輔  九州大学, 大学病院, 講師 (60260379)

研究分担者 北本 史朗  九州大学, 大学院・医学研究院, 日本学術振興会特別研究員(PD)
市来 俊弘  九州大学, 大学病院, 助手 (80311843)
竹下 彰  九州大学, 名誉教授 (30038814)
居石 克夫  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
キーワード炎症 / 動脈硬化 / 再狭窄 / 遺伝子治療 / 単球
研究概要

【背景】血管生物学的研究により、再狭窄・動脈硬化の分子機構の特徴は、「慢性的炎症性疾患」と認識されている。再狭窄・動脈硬化性病変において生じる炎症の特徴は単球・マクロファージの接着、浸潤、活性化であり、そのステップに必須の因子は単球走化性因子monocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1)である。
【目的】本研究の目的は、我々が独自に開発した抗MCP-1遺伝子治療法が実際にヒトの再狭窄・動脈硬化に対する新しい治療法になりうるかどうかを明らかにすることである。
【結果】
1.7NDベクターと遺伝子導入法:.pcDNA3-7ND遺伝子プラスミド500μg/kgあるいは対照プラスミドを実験動物に筋肉注射し実験を行う。electroporation(筋肉局所の電気ショック)によって遺伝子導入効率を増強する。
2.ステント後再狭窄モデル:高コレステロール食負荷サル左腸骨動脈にステントを留置する。7ND遺伝子導入によってステント留置部位に生じる新生内膜が抑制されるかどうかを、病理組織学的解析と血管内エコーを用いて明らかにする。
3.冠インターベンション(PCI)後再狭窄患者を対象とした臨床研究:この臨床研究では、PCI後再狭窄の発生機序における白血球活性化の重要性を明らかにする。
4.7ND過剰発現マウスの解析:7ND遺伝子過剰発現の影響を検討する。まず、過剰発現マウスのphenotype解析を行う。妊娠、発育、成長に異常があれば、血管の発生分化におけるMCP-1の役割が解析できる。それらの過程が正常であれば、血管障害モデル・動脈硬化モデル・心臓移植モデルなどを作成し、それらの病態におけるMCP-1の役割を解析する。
5.心臓移植マウスモデル:心臓移植モデルを用いて、7ND遺伝子導入が移植心の冠動脈病変(炎症性変化、線維化)、心機能、生着率、などを修飾するかどうかを検討する。
6.動脈硬化モデル:すでに動脈硬化病変を有するApoE-KOマウスを用いて、7ND遺伝子導入により病変の退縮が生じるかどうか、不安定化プラークのマーカーが減少するかどうか、を検討する。
【総括】
霊長類を用いた試験において7ND遺伝子導入の毒性は観察されなかったことから、7ND遺伝子導入の安全性が示唆された。さらに、バルーン傷害による実験的再狭窄における7ND遺伝子導入の有効性が明らかになった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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