研究概要 |
本研究ではアトピー性皮膚炎(AD)におけるTh_2ケモカインであるTARC,MDCの関与を発展させ,類似の検査所見を示す水疱性類天疱瘡(BP)や菌状息肉症(MF)での関与を明らかにした。更にEotaxin3,CTACK,MECなどのCCケモカインをケラチノサイト(KC)が産生し,ADや乾癬の病態に関与することを示した。CXCケモカインについても研究し,Mig,IP-10,I-TACなどをKCが産生することを示した.CX3CケモカインをKCが産生することも明らかにした。現在は,血清TARC値がADの病勢を表す臨床マーカーとなり得る可能性を検討している。また表皮にTARC,CTACKを過剰発現したトランスジェニックマウスを作成し詳細を検討をはじめている。樹状細胞については,マウス表皮から95%以上の純度でランゲルハンス細胞(LC)を採取し,脾臓のDCと比較した研究を行なった。LCは他のDCと異なりIFN-α産生が誘導されないこと,TARCが強く誘導されることを示した。LCにはToll-like receptor (TLR)2,3,4,9の発現があることを見出し,それらのリガンドで刺激した反応も検討した。LCはDCに比べて低反応性であることを示したが,TARC産生は強く誘導された。 今後は,これら本研究で得られた結果を,作成したトランスジェニックマウスの解析などin vivoの研究への発展させるつもりである。
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