研究課題/領域番号 |
14207048
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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研究分担者 |
加藤 功一 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50283875)
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キーワード | 胚性幹細胞 / マウスES細胞 / カニクイザルサルES細胞 / インスリン分泌細胞 / PDX-1 / ドーパミン分泌細胞 / マイクロカプセル |
研究概要 |
<ES細胞からインスリン分泌細胞への分化誘導> マウスまたカニクイザルのES細胞からのインスリン分泌細胞への分化誘導を行った。インスリン陽性細胞には2種類のタイプが存在した。一つはインスリン染色で細胞全体が強く染色される小さな細胞、他はインスリン染色で細胞質のみ染色される比較的大きな細胞であった。C-ペプチドの免疫染色や継代培養実験の結果等から、前者は死細胞で、後者は生きてインスリンを分泌する細胞である。しかし、後者の数は非常に少なかった。現在、インスリン分泌細胞を大量に確保するために2つの方向で研究を進めている。その一つは、PDX-1陽性細胞特異的に蛍光タンパク質を発現する遺伝子を導入したES細胞の作製。現在、導入遺伝子の構築を終了した。もう一つは、Tet systemを利用してカニクイザルサルES細胞内でPDX-1遺伝子発現を制御することによりインスリン分泌細胞へと分化誘導する方法である。現在、遺伝子改変ES細胞のクローン化を終了した段階である。 <免疫隔離膜> マイクロカプセル化素材としてアガロースを基本に考えているが、拒絶反応で重要な働きをする補体を制御するための添加素材の検討を行いDextran sulfate asが有望な素材であることを見いだした。 <ES細胞からドーパミン分泌細胞への分化誘導> PA6細胞のConditioned Mediumを用いてマウスES細胞を浮遊培養しドーパミン分泌細胞への分化誘導を試みた。得られたドーパミン分泌細胞をマイクロカプセル化後長期培養した。チロシン水酸化酵素が発現し、さらに中脳ドーパミン分泌細胞マーカーであるNurrlが発現している細胞を誘導出来た。また、KClの刺激により分泌されるドーパミンの定量を行ったところ分化誘導12日目以降においてドーパミンが検出できた。さらに、マイクロカプセル化後30日においてもドーパミンの検出ができた。
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