研究課題/領域番号 |
14207048
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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研究分担者 |
加藤 功一 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50283875)
笹井 芳樹 理化学研究所, 発生再生科学総合研究センター, グループディレクター (20283616)
滝 和郎 三重大学, 医学部, 教授 (70144368)
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キーワード | ES細胞 / カニクイザル / 未分化維持培養 / インスリン分泌細胞 / ドーパミン分泌細胞 / 免疫隔離膜 |
研究概要 |
ヒトES細胞使用許可の取得が諸般の事情で遅れ、平成18年3月10日付けでヒトES使用計画の大臣確認書が交付された。本年度も大部分の仕事はヒトES細胞に比較的特性が近いと報告されているカニクイザルのES細胞を用いて研究を行った。 <ES細胞の維持環境の確立>:ヒト間葉系幹細胞株の馴化培地と大腸菌で作成したキメラ細胞外マトリックスを用いてES細胞の未分化維持培養を行った。21培養後にSCIDマウスに移植し、3胚葉に分化する能力を有していることを確認した。異種動物細胞に接触していないヒトES細胞の作成に役に立つ培養系であると考える。 <インスリン分泌細胞への分化誘導>:Tet systemを利用してカニクイザルサルES細胞内でPDX-1遺伝子発現を制御することによりインスリン分泌細胞へと分化誘導する方系を作成した。Tet systemを用いてPDX-1を発現させると有意にインスリン陽性細胞が増加した。 <ドーパミン分泌細胞への分化誘導>:マイクロカプセル内と中空糸内にカニクイザルES細胞を封入した後、PA6細胞の順化培地中で培養を行った。分画分子量を10万以上の中空糸膜にES細胞を封入し、PA6細胞の順化培地中で培養を行うと効率よく神経細胞へと分化した。 <免疫隔離膜> Poly(ethyleneglycol)-α-tert-butoxycarbonyl-ω-N-hydroxysuccineimideと1,2-dipalmitoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamineをクロロホルム中で一晩反応させることでPEG脂質を合成した。PEG脂質を用いて細胞表面を細胞に障害を与えることなく極めて薄い層で覆うことができた。カプセル化による体積増加が極めて小さい生細胞マイクロカプセル化法として極めて有力であると考える。
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