研究課題/領域番号 |
14207056
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
野田 政樹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50231725)
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研究分担者 |
二藤 彰 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00240747)
井上 敬一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手
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キーワード | 骨折 / 閉経後骨粗鬆症 / Tob / ノックアウトマウス / 卵巣摘除 / エストロジェン |
研究概要 |
骨量の維持に関わる骨形成側の新しい因子の探索を行った。閉経後骨粗鬆症における骨量減少はその骨の再生による骨折の低下を目指す治療を現在も必要としている。即ちビスフォスフォネートによる骨折率の低下はなお50%にとどまり、さらにまたPTHを用いた臨床的研究からも約20ないし30%の患者においてはなお骨折の危険が存在することから、新しいメカニズムによる閉経後骨粗鬆症に対する治療戦略が必要である。そこでTobのノックアウトマウスにおける骨量の閉経後骨粗鬆症モデルにおける動態を検討した。この結果Tobのノックアウトマウスにおいては卵巣摘除後の閉経後モデルにおいて骨量が野生型の通常状態レベル以上には減少しないこと、またこのようなエストロジェンのレベルとTobのレベルの相互作用は細胞培養およびGCCGを用いたレポーターアッセイの結果から骨芽細胞に特異的に起り、Smadの活性をエストロジェンのレセプターおよびTobが相加的に抑制することが明らかとなった。即ち閉経後の骨粗鬆症における高回転型の骨形成の活性化はこれまで吸収活性化に伴うカップリングによる現象との考え方であったが、この中には少なくとも一部においてエストロジェンによる骨形成抑制の解除に基づく骨形成亢進が存在し、この過程においてTobがエストロジェンと共に共同的に骨形成を制御していることが明らかにされた(PNAS2004)。
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