研究課題
基盤研究(A)
平成14年度からはじまった本研究は平成16年度で終了する。この間に京都府立医科大学と三重大学の倫理委員会の承諾と患者の同意を得て、アクリジンオレンジ(AO)を用いた光線力学的療法とその直後に行う放射線力学的療法で治療した人悪性骨軟部腫瘍症例は46例である。主な悪性骨軟部腫瘍は滑膜肉腫7例、横紋筋肉腫7例、ユーイング肉腫/PNET5例、骨肉腫5例、MFH4例、などである。生検材料で腫瘍がAOに親和性のあることを確認し、組織診断が確定した後、重要な神経血管、筋肉を可能な限り温存するため腫瘍の辺縁切除ないし病巣内切除を施行した。1μg/mlの濃度のAOを術野にまんべんなく局所投与して過剰なAOを洗浄吸引した後、残存腫瘍から発生する緑色の蛍光を顕微鏡視下に観察しながら腫瘍を、超音波メスを用いて追加切除した。その後キセノン照射装置を用いて細胞レベルで残存した腫瘍に対して10分間の励起光および全光照射を行って光線力学的療法を施行した。そのうち19例については手術後直ぐに放射線治療室で5GyのX線照射を行って放射線力学的療法を併用した。6ヶ月以上の経過観察をした初回治療症例21例では再発は1例で認めただけで再発率は4.8%であった。いずれの症例も温存患肢の機能はほぼ正常に保たれていた。放射線力学的療法を併用したものでは1例も再発を認めなかった。再発巣や転移病巣に対して本治療法を施行した11例では3例に再発を認め再発率は25%であった。本治療法による局所的および全身的副作用は全く認めていない。以上より本治療法は悪性骨軟部腫瘍の初回治療例に対しては従来の広範切除とほぼ同等の再発抑制効果があることが判明した。この結果からわれわれは本治療法は悪性骨軟部腫瘍に対する縮小手術として有用で患肢機能の大きな改善が期待できるとともに患者のQOLを飛躍的に向上できる可能性が高いと結論した。
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