研究課題/領域番号 |
14207063
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
守殿 貞夫 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30030935)
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研究分担者 |
杉村 和朗 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00136384)
前田 盛 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50030911)
後藤 章暢 神戸大学, 医学部, 助教授 (70283885)
白川 利朗 神戸大学, 医学部, 助手 (70335446)
松尾 雅文 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10157266)
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キーワード | 前立腺癌 / 遺伝子治療臨床試験 / 臓器特異性プロモーター / アデノウィルス / 骨転移 / 局所再発 / チミジンキナーゼ / バラシクロビル |
研究概要 |
平成14年度に引き続き、内分泌療法抵抗性前立腺癌の骨転移、リンパ節転移および、局所再発例に対し、自殺遺伝子として、単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ(HSV-TK)遺伝子を、臓器特異性オステオカルシンプロモーター、により制御発現させるアデノウイルスベクター(Ad-OC-TK)を単独で癌転移巣または局所再発巣に局所内投与し、その後バラシクロビルを経口投与するという局所療法を施行した場合の、安全性の検討(最大耐量の推定)および、治療効果の観察(評価可能症例)を目的とする第I/II相臨床試験を施行した。当初計画していた2群6名(低用量群3名、高用量群3名)の対象症例のうち、低用量群の患者3名に対し、実際に2.5x10^9PFU (plaque forming unit)のAd-OC-TKのベクター液をCTまたは超音波ガイド下に腫瘍内に直接投与した。バラシクロビルはDay1より21日間内服投与した。各症例ともAd-OC-TKベクターは1病巣のみにDay1とDay8に計2回注入した。病巣の内訳は局所再発巣1例、骨転移巣2例であった。 安全性の評価として30日〜120日の患者フォローを行い、有害事象、臨床検査値、バイタルサインについて定期的に観察、測定を行い実施したところ、全3症例中、全例においてウィルスベクターの注入後48時間以内に軽度の発熱が認められたが、いずれも米国NCIのCommon Toxicity Criteriaに照らし、Grade 1以内のものであり、経過観察を含めた保存的治療にて軽快した。その他の評価項目においても、上記Grade 1以上(上記Criteria上)の有害事象の出現を認めなかった。この為平成16年度より高用量レベルに移行する予定とした。 また、有効性評価として、PSA効果判定基準による評価を行ったところ、症例1及び2においてはSD (Stable Disease)、症例3においてはPD (Progressive Disease)であった。同時に骨転移例においては指標部位に対し、骨シンチを用いたRI集積の定量化を行い、治療効果につき検討を行った。また同時に患者血清を採取しており、2次元電気泳動を用いたプロテオーム解析を行う準備中である。
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