研究課題/領域番号 |
14207071
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90124958)
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研究分担者 |
久保田 哲朗 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00118944)
星野 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70190197)
太田 茂 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (40127014)
原 純一 大阪大学, 医学部, 助教授 (00238156)
細井 創 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (20238744)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | Rhabdomyosarcoma / clinical trial / VAC / PAX3-FKHR / PAX7-FKHR / peripheral blood stem cell / VOD / children |
研究概要 |
本研究はわが国における小児横紋筋肉腫の治療成績改善をめざしてあらたな基盤整備をおこない、臨床試験を構築するために行われた研究である。 1.わが国における横紋筋肉腫治療の実情の調査 わが国における現状を把握するために二次にわたる全国調査が行われた。1991年から2002年に治療された331例について調査を行った結果、5年全生存率は60.7%であり、米国IRSに比較して10-20%低い成績である。さらに、過去の班研究の追跡調査を実施したが、幹細胞移植を併用する大量化学療法に関する結論を導くことが困難であった。また、根治手術時期、切除マージン、リンパ節郭清の範囲について小児外科医の間で一定のコンセンサスが形成されていないことが調査により明らかとなった。 2.小児横紋筋肉腫に対する臨床試験の構築 上記の調査を基盤として、本研究では外科治療および放射線治療ガイドラインを設定した。また、小児腫瘍専門病理学者の参加を得て、中央病理診断と遺伝子診断を実施することとした。プロトコールコンセプトについては、高リスク群では多剤併用大量化学療法+幹細胞移植が採用され、低リスク群では低容量VACおよび期間短縮を目的とするVAC療法が、中間リスクではVODの発症を避けるための減量規定をわが国独自で設定したiVAC療法が選択された。本試験では将来の付随件研究を設定し、組織バンクを構築した。データセンターの構築も重要なテーマで、低リスク群試験は外部委託としたが、中間リスク群は研究事務局内に設置され、また高リスク群の試験は他の臨床試験グループと共同で運用することとなった。これらの準備を経て2004年に臨床試験が開始され、本研究期間内に事務局に登録された症例は24例であり、うち14例が臨床試験に登録されている。今後症例の集積とともにその結果がもたらされれば、科学性と倫理性を持ったわが国初の小児固形腫瘍に対する臨床試験の成果が還元されることが期待される。
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