研究課題
基盤研究(A)
神経幹細胞移植を中枢神経損傷の治療に用いる研究が広く行われている。移植方法も検討されている。移植する神経幹細胞をそのまま移植する方法の他に、細胞の担体として人工材料を用いる方法も報告されている。特に、アルギン酸スポンジを担体とする方法は本プロジェクトでわれわれのグループが開発発表してきた。移植する手技は、損傷された脊髄や大脳などの中枢神経に直接針で細胞を注入する方法が用いられている。一方、神経幹細胞以外に、神経増殖因子やnitecaponeなどの薬剤を脳脊髄液中に投与する研究も行われている。私たちは、神経幹細胞を脳脊髄液中に投与することで損傷脊髄の再生が得られることを証明した。神経幹細胞を第4脳室の脳脊髄液中に投与し、その脊髄表面への分布状態を3週間観察した。注入した細胞は脊髄の軟膜に小さな点として付着し、その後増殖によりそのサイズは増加した。背側腹側の両方とも付着した細胞の集合部の数が増加するとともに集合部が合体し大きな塊となった。血管の周囲に細胞がよく付着する傾向が認められた。注入後1-2週間後には、神経幹細胞は受傷部位の脊髄に入り込み、周囲組織と一体化し、一部はアストロサイトへ分化しているものも確認された。これらのことより脳脊髄液経由で神経幹細胞を投与する方法は脊髄全体に移植細胞を行き渡らせることのできる方法であり、このようにして投与された細胞は遊走し脊髄の損傷部に入り込み周囲の組織と一体化することがわかった。
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