研究分担者 |
川上 敏行 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (80104892)
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90119222)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (70350824)
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研究概要 |
1.骨の石灰化基質形成に関する分子機構の解明: ヒドロキシアパタイト結晶が析出する核となる核形成物質を同定するため、培養細胞MLO-A5より単離した基質小胞を用いモノクローナル抗体を作製し、この抗原が細胞外基質の線維間に局在することを明らかにした。また,石灰化に対するMgの影響を明らかにする目的でMg欠乏ラットの骨質、特に石灰化に与える影響について検索を行い、Mg欠損ラットにおいてはCa値の上昇とアパタイト結晶の不規則化が観察され、結晶化におけるMgの抑制的役割が示された。 2.骨代謝共役機構の解析: OPG欠損マウスを用いた解析により、OPG欠損マウスは骨吸収と骨形成がともに亢進していること、ビスフォスフォネート投与により骨吸収の低下とともに骨形成の著明な低下が認められること、またBMPの移植による骨誘導はOPG欠損と正常マウスに差が認められないことを明らかにした。さらにLPSとIL-1は骨芽細胞に直接作用し、MyD88,Ca/PKC-MEK/ERK経路の活性化を介してRANKL発現を誘導することを明らかにした。 3.骨の再生・再建モデルの構築と解析: 歯髄の皮下移植実験系において,歯髄組織が潜在的に硬組織形成能を有することを明らかにし,その石灰化は壊死細胞内に生じたヒドロキシアパタイト結晶により開始されることを示した。レーザー光照射による骨量増加については、骨芽細胞に対する機能の活性化と破骨細胞に対する吸収抑制作用によることを明らかにした。EP4 agonistのラットへの投与実験については,EP4の遺伝子発現が骨芽細胞にあることを示し,その骨形成促進作用は,骨髄内の脂肪細胞の減少と骨芽細胞の増加によることを明らかにした。また,下顎頭軟骨におけるNotch1とMath1の局在を免疫組織化学的に検討し,これらの細胞分化に関する役割を明らかにした。
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