研究課題/領域番号 |
14207084
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 純造 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80029149)
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研究分担者 |
荘村 泰治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (10154692)
寺岡 文雄 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (00099805)
濱田 吉之輔 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10362683)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | SVVYGLR / 機能性ペプチド / 骨再生 / 血管新生 / 生体吸収性 / 生体材料 |
研究概要 |
血管新生は内軟骨性骨化において見られる初期の現象として重要である。また、高い血管新生能を有することが明らかになったわずか7残基の機能性ペプチドSVVYGLRは骨分化マーカーであるオステオポンチンのフラグメントである。そこで、本研究では、このペプチドが骨組織生成における細胞分化や機能制御において影響を持つかもしれないという仮説の元、骨芽細胞を用いた細胞機能についてin vitroにて検討を行った。その結果、SVVYGLRは骨芽細胞の接着を有意に高めるものの、細胞増殖や分化には大きな影響を及ぼさないことが確認された。しかし、SVVYGLRの骨欠損部位への応用は血管新生の促進による創傷治癒、結果としての骨再生促進に有効であることが考えられる。また、これまでこのような低分子量で効果の高い薬剤の生体への局所応用について具体的な検討がされていない。そこで、生体吸収性材料(例えば、ポリ乳酸、ポリ乳酸/イプシロンカプロラクトン共重合体)の多孔性制御ならびに新しいペプチド固定化方法を考案し、その有効性について検討をした。その結果、フリーズドライ方法にて作製する多孔質ポリ乳酸/イプシロンカプロラクトン共重合体の冷却速度を変え、氷結晶成長時間を制御することで10-110μmの範囲でポアサイズを制御することに成功した。また、これらポリマー表面への大気プラズマ照射は一般的に疎水性であるポリ乳酸表面に親水性官能基を導入し、結果的に水性溶媒に溶かしたSVVYGLRの固定に有効であることが確認できた。このポリマーを使ったin vivoでの血管新生の検討ではプラズマ照射後SVVYGLRの固定化を行った群において高い血管新生能が確認された。本研究を通して、機能性ペプチドSVVYGLRの効果を維持した材料表面修飾方法ならびにその担体材料の物性や生体吸収性制御が開発され、今後、骨組織欠損部位のみならず、多くの疾病、創傷部位への応用が期待できるようになった。
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