研究分担者 |
有川 裕之 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90128405)
蟹江 隆人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70152791)
藤井 孝一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60156817)
河合 達志 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60167351)
和泉 雄一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60159803)
|
研究概要 |
本年度の研究実績 1.基板の選択 基板として導電性材料であり従来の水熱・電気化学的合成実験に用いてきた純チタンを用いた.電解液は疑似体液よりマグネシウムを除いた組成を用い,電流は1〜10mA/cm^2にし,水熱合成器(耐熱耐圧瓶)を用いて電解液温度は100〜200℃の範囲で行った.接着性を向上させるために,一部あらかじめ酸処理を行った。板状だけでなく、#80および#120のメッシュ状チタンへの析出を行い、析出条件の検討を行った。100℃では幅0.5〜1μm,長さ7〜10μmの針状結晶が基板に対してほぼ垂直に配向したアパタイト結晶膜が合成された。 2.複合体膜の作成 生分解性高分子としてポリ乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)を用い,ジクロロメタンに溶解して溶液にした。チタン基板上に電気化学的合成したアパタイト膜にPLGA・ジクロロメタン溶液を塗布,浸透させた。乾燥・硬化後,鋭利なナイフを用いて,基板から剥離し,配向アパタイト含有生分解性複合膜を合成した。また、一部には骨形成因子(BMP)を添加した。 3.複合体膜の生体適合性の評価 上記膜をラット筋膜下および頭蓋骨に移植し、軟組織および硬組織との適合性を評価した。その結果複合体は軟組織および硬組織の両方に良好な生態適合性を示した。 4.アパタイトの電気化学的析出現象解析 フーリエ変換赤外顕微鏡装置により電場を負荷した状態で全反射(ATR)スペクトルを測定し,in situ状態の析出物を計測したが、常温では結晶性が低い、また析出量が少ないため、明確なスペクトル変化は得られなかった。周波数計測(EQCM)では、温度による大きな変化が得られ、その活性化エネルギーから、析出現象は電極と電解液界面でのイオン拡散により制御されることを実証した。
|