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2004 年度 実績報告書

変動電場による局所麻酔薬分子の組織内移送に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14207088
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

海野 雅浩  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90014125)

研究分担者 芝地 貴夫  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (90323724)
キーワードイオントフォレーシス / 交流電場 / ドラッグデリバリー / 局所麻酔薬 / 経皮的送達 / 高分子 / 非イオン化物質
研究概要

イオントフォレーシス(Iontophoresis)に関する研究とその臨床応用は古くから行われてきた。現在までに臨床応用されたのは直流電流である。しかし、人体への直流通電では、発赤や火傷を生じやすく、また電極海面における分極形成により浸透効率の低下という欠点がある。我々は、交流電流による送達を試み、薬物を経皮的に送達できることを明らかにしてきた。今までの実験においては平行平板型の電極を使用して、リドカインの送達を確認してきたが、より薬物を効果的に送達できるよう円周電極と円形電極を組み合わせ、ドナーセルと一体になった新型電極を開発した。セロファン膜を用いたin vitroおよび全身麻酔下のヘアレスラット腹部皮膚でのin vivoにてそれぞれこの電極を使用し、交流通電によるリドカインの送達を試みた。正弦波、周波数1kHz、電圧20Vの通電条件でドナーセル内の1%リドカインに対して10分間通電を行い、レセプター側のリドカイン濃度をHPLCで測定したところ、in vitroで約0.12%、in vivoでは約0.29%となり、自然拡散の場合に比べてリドカインの濃度が有意に増加していた。このことから新型電極によりリドカインを経皮的に送達できることが証明された。さらに非イオン化高分子物質であるインスリンが交流電場によりin vitroにおいて送達されることが確認された。新型電極の形状や通電条件などさらに検討を重ねていけば、非イオン化高分子物質であるインスリンや鎮痛薬等の非侵襲的な経皮的送達を臨床応用することも期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004 2003 2002 その他

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 変動電場による非イオン化高分子物質の移送2004

    • 著者名/発表者名
      大上沙央理, 芳賀浩昭, 海野雅浩
    • 雑誌名

      日本歯科麻酔学会雑誌 32巻4号

      ページ: 539

  • [雑誌論文] ACイオントフォレーシスにおけるリドカインの透過効率 電圧,周波数との関係2003

    • 著者名/発表者名
      泉川仁美, 芝地貴夫, 芳賀浩昭, 木下樹, 海野雅浩
    • 雑誌名

      日本歯科麻酔学会雑誌 31巻4号

      ページ: 409

  • [雑誌論文] in vivoにおける双円形型電極を用いたACイオントフォレーシス2003

    • 著者名/発表者名
      芳賀浩昭, 芝地貴夫, 泉川仁美, 木下樹, 海野雅浩
    • 雑誌名

      日本歯科麻酔学会雑誌 31巻4号

      ページ: 408

  • [雑誌論文] リドカインのACイオントフォレーシスにおける電圧依存性と周波数依存性2003

    • 著者名/発表者名
      泉川仁美, 芝地貴夫, 芳賀浩昭, 木下樹, 海野雅浩
    • 雑誌名

      Drug Delivery System 18巻3号

      ページ: 300

  • [雑誌論文] 双円形型電極を用いたACイオントフォレーシス2002

    • 著者名/発表者名
      芳賀浩昭, 木下樹, 泉川仁美, 芝地貴夫, 海野雅浩
    • 雑誌名

      日本歯科麻酔学会雑誌 30巻4号

      ページ: 455

  • [雑誌論文] 無痛無針局所麻酔法

    • 著者名/発表者名
      木下樹, 芳賀浩昭, 大上沙央理, 泉川仁美, 芝地貴夫, 海野雅浩
    • 雑誌名

      日本歯科医学会誌 (印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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