研究分担者 |
山城 隆 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70294428)
宮本 学 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40252978)
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
黒田 晋吾 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40332796)
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研究概要 |
本研究は、顎顔面骨格の成り立ちに重要な役割を果たしている軟骨細胞に分化を決定づける因子を、実験動物組織に特異的に出現する細胞群の分離同定により明らかにすることを目的としている。本年度は顎顔面の硬組織の発生、発達成長過程、あるいは骨折モデルにおける創傷治癒過程で出現する各種細胞の遺伝子発現の詳細を検討した。ラット下顎頭骨折モデルに対するCTGE, Cbfa1,Collagen type I, II, X mRNAの発現をin situ hybridization法により経時的に解析した。その結果、膜性骨化と内軟骨性骨化による修復部で特徴的な遺伝子発現パターンを観察した。同時に下顎頭軟骨、大腿骨関節軟骨、大腿骨骨端成長板軟骨における上記遺伝子の発現を検討し、各種軟骨細胞層における特異的遺伝子発現を解明した。また、発生過程のマウスの顎顔面におけるCbfa1,Runx1,Sox-9の遺伝子発現をin situ hybridization法により検討した。その結果、骨化予定領域にCbfa1のみならずRunx1,Sox-9の発現が一部オーバーラップしており、未分化間葉系細胞のうち前軟骨芽細胞と前骨芽細胞の両者の性質をもった細胞の存在が示唆された。またこれらの細胞の存在は、長管骨部より顎顔面部においてより顕著であった。 一方、組織片から特定細胞を分取するレーザーマイクロダイセクション法とそれに引き続く特異細胞、組織の遺伝子発現の検討は、従来から軟組織に対して行われているのみであった。そこで、同手法を硬組織で適応する基礎的実験を行った。組織の固定、切片作製、遺伝子抽出にわたる一連の過程に改変を加えた。
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