研究概要 |
(1)罹患同胞対解析:全染色体の1次スキャンニングが終了し5q33.1,9q21.1-q21.2,9q21.31,14q23.1,17q12,20q11.2においてLOD値1.0以上の領域が見いだされた。最も高いLOD値は20qの1.46で'ある。 (2)関連解析:GRM3の関連解析でSNP4を含むハプロタイプで有意差が認められた。そこでSNP4周辺領域の連鎖不平衡マッピングを行い、SNP4を含むほぼ40kbの領域で連鎖不平衡が維持されていることを明らかにした。この領域に疾患感受性に関わる多型が存在すると考えられ現在検索中である。グルタミン酸受容体遺伝子群のなかでカイネイト型GRIK1,GRIK2,アンパ型GRIA3,GRIA4,NMDA型GRIN2D,代謝型GRM4の全領域にわたり、約50kbごとにアレル頻度10%以上のSNPを選択し関連解析を行った。GRIA3,GRIA4,GRIN2D, GRM4についてハプロタイプ頻度において有意差が認められた。 (3)覚醒剤投与ラットの解析:メタンフェタミン投与ラット大脳からdifferential displayで発現亢進を来す遺伝子の一つとしてアンフィファイシン遺伝子(AMPH)を単離し、関連解析を行ったが、罹患群と対照群間で有意差は認められなかった。メタンフェタミン投与ラット小脳から発現変化を来す遺伝子としてユビキチン系の遺伝子を単離した。 (4)動物モデル作成:GRIA4についてノックアウトマウス作成を進めており、ターゲッティングが確認されたES細胞の単離が終わり、ブラストシストへのインジェクションの段階へ進んだところである。一方GRM3については現在ターゲッティングされたES細胞の単離中である。
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