研究概要 |
1.連鎖解析 JSSLGとして130罹患同胞対家系について417個のSTRマーカーを用いたゲノムワイド罹患同胞対解析を行い、1q23.3,2q36.3,3q23,4q23,5q33.1,8p12,9q21.1-21.2,9q21.31,14q23.1,17q12,20q11.2にP<0.05と連鎖傾向を示す領域を見いだした。その後、先の解析に用いた122家系由来のサンプルを含む236家系について5,861個のSNPを用いた解析により、1p21.2-1p13.2(LOD=3.39)に連鎖が認められ、また14q11.2-q13.2と20p12.1-p11.2に連鎖が示唆された。 2.関連解析 (1)グルタミン酸受容体遺伝子群の関連解析を遺伝子領域に複数のSNPを選択し、体系的に行った。その結果GRIA4,GRIN2D,GRM3,BRM8についてハプロタイプ頻度において有意差を認めた。 (2)患同胞対解析により連鎖傾向が見られ、諸外国から複数の報告がある5q33.1領域に注目し、ここに存在する43遺伝子の複数SNPについてタイピングを行った。有意差が見られたSNPについてサンプル数を追加しさらに解析を行ったところ、遺伝子型・アレル頻度で1遺伝子、ハプロタイプ頻度において1遺伝子、それぞれ疾患との有意な関連が認められた。 3.モデル動物を用いた解析 (1)フェンシクリジン投与ラットの大脳の5部位から、マイクロアレイを用いて発現に変化を来す遺伝子を見出した(発現亢進71個、発現低下31個)。その中で2.5倍以上の変化を来す10個の遺伝子を定量的RT-PCR法により確認した。これらの遺伝子について関連解析を行った。 (2)先に関連を認めたGRIA4についてノックアウトマウスを作出し、アンパ型グルタミン酸受容体各ファミリーの発現分布を明らかにし、行動解析のための戻し交配を行った。
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