研究分担者 |
森田 せつ子 名古屋大学, 医学部, 教授 (30182249)
浅野 みどり 名古屋大学, 医学部, 教授 (30257604)
三浦 清世美 名古屋大学, 医学部, 助手 (20332695)
鳥居 新平 愛知学泉大学, 家政学部, 教授 (80023802)
杉浦 太一 岐阜大学, 医学部, 助教授 (20273203)
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研究概要 |
目的 我々は喘息学童の自記式QOL調査票(JSCA-QOL)の開発を行なってきた。最終版Ver.3の信頼性・妥当性を検証する。本調査票は5領域からなる25の質問項目と1項目の総括スケールから構成され,5段階のリカートスケールで回答を求めている。全国調査の結果から調査票の標準化と低得点群の特徴を検討し,容易に判定できる採点方法を考案した。 方法 1.対象:10〜18歳の通院中の喘息学童 期間:平成13年1月〜3月 有効回答数:2097部 2.各領域のα係数,相関係数等の算出と因子分析(最尤法,プロマックス回転)を行なった(SPSS12.0J使用)。 結果 1.調査票の信頼性と妥当性 各領域のα係数は,発作誘発(0.7),日常生活の変化(0.7),家族のサポート(0.8),生活の充実感(0.9),活動への参加制限(0.7)と高い内的一貫性を示し,再現性も良好であった(Spearman's p=0.6,p<0.01)。因子分析にて想定通りの5因子を抽出(KMO=0.9),構成概念妥当性を支持した。総括スケールとQOL総得点の相関も高かった。結論として,JSCA-QOL Ver.3は内的整合性と安定性を認め,適切な喘息学童のQOL測定尺度と判断できた。 2.調査票の標準化と低得点群の特徴 対象2,097名(男1,322、女766)の重症度内訳は,重症41,中等症440、軽症1,224,寛解285であった。各領域の平均得点(5点満点)は日常生活の変化が4.7±0.5と最も高く,家族のサポートが3.6±0.9と最も低かった。QOL得点を10パーセンタイル値(91点)と90パーセンタイル値(119点)で3群に分けると,10パーセンタイル未満の低得点群は,重症と中等症に多く,低得点群は高得点群と比較して全ての質問項目でQOLが低くなる傾向がみられた。QOL低下領域を容易にチェックできるレーダー図を考案した。
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