研究課題
基盤研究(A)
本研究では、人間の動きの構造に自然なかたちである多軸性複合関節関与型の「体幹深部筋力強化トレーニングマシン」を開発し、幅広い年齢層の人々やスポーツ選手にとって有効な体幹深部筋を強化する方法を開拓することを目的とした。平成14年度に「ベッド移動式大腰筋トレーニングマシン」、平成15年度に「膝腰スウィング型体幹筋力トレーニングマシン」、16年度に「簡易型立位動作型体幹深部筋力強化トレーニングマシン」、「パワーアシスト付きひねり動作型体幹深部筋強化トレーニングマシン」、「アニマルウォークトレーニングマシン」、平成17年度に「低体力者用歩行能力改善トレーニングマシン」、「球底型体幹深部筋トレーニングマシン」、「回転円盤式体幹深部筋トレーニングマシン」の合計8機種を開発した。これによって、当初の目的としたマシントレーニングシステムができ、特許1件が期間内に成立し、開発されたすべての機種が自治体や民間のトレーニングジム実際に購入採用された。また、東京大学生涯スポーツ健康科学研究センターにこれらの開発機器が設置され、低体力高齢者を対象としたトレーニング実験が実施され、体幹深部筋の代表である大腰筋のMRI画像では、平均8%の増加が見られている。特に、80歳までの低体力高齢者や中高齢者には体幹深部筋ばかりでなく、全身的なトレーニング効果が大きく、平成17年9月に実施したfNIRSをもちいた脳内血液動態測定では、これらのマシンが従来の筋力トレーニングマシンと比較して、脳を活性化する可能性が示唆された。「低体力者用歩行能力改善トレーニングマシン」を用いた5ヶ月間のトレーニング実験では、歩行が困難な人や80歳の高齢者の歩行能力に著しい効果が検証された。「球底型体幹深部筋トレーニングマシン」は股関節の柔軟性を著しく向上させ、若者では開脚姿勢での踏ん張り力を向上させ、中高齢者では失禁予防に効果がある様子が観察された。「回転円盤式体幹深部筋トレーニングマシン」はスポーツに必要な体幹部の捻り動作による力発揮能力を高め、大腿部および臀部の筋群を強化することにも効果がみられた。
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