研究概要 |
1)BLS実施計画 諸学校学童・生徒7,073人中、小学校5年生、中学1年生、高校1年生2,240人を対象に、外部指導者(救急救命士)により普通救命講習にて3時間の講習を継続実施した。教育の質を評価するための、履修者による逆評価アンケート(5段階尺度法)を継続実施した。 2)逆評価の解析結果 逆評価アンケート回収率は100%、信頼性分析はα=0.531であった。小学生131人、中学生398人、高校生1278人間の比較では、講習に対する満足度(興味>は小・中学生が高校生よりも高く(P<0.0001、Kruskal-Wallis検定)、救命手技(CPR)に対する自信も、小・中学生が高校生よりも高かった(P<0.0001)。 すなわち、1)低学年生徒へのBLS教育が可能であるとともに、2)対象年齢により教育方法を変更すべきである傾向が、昨年度と同様に確認された。 3)新テキストの使用 受講者の年齢を考慮して昨年度に作成した「生徒用のテキスト」を使用した。 4)次年度への試行 医学部クリニカルシミュレーションセンターを用いて、一般人にBLSとともに体外式自動除細動器の使用を教育するプログラムを開始した。一般成人を対象として、3時間以内にBLSに体外式自動除細動器の使用を加えた教育は十分に可能であった。この結果から、学童生徒を対象として、BLSに体外式自動除細動器を加えたプログラムを開発し、履修した技能をOSCEにより評価する方法の導入を検討中である。
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