研究分担者 |
北川 源四郎 統計数理研究所, 所長 (20000218)
田村 義保 統計数理研究所, 統計計算開発センター, 教授 (60150033)
佐藤 整尚 統計数理研究所, 予測制御研究系, 助教授 (60280525)
川崎 能典 統計数理研究所, 予測制御研究系, 助手 (70249910)
河野 英昭 九州大学, 理学研究院, 助教授 (60304721)
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研究概要 |
擬ベイズ法や諸ベイズ法との有機的融合や,超多数のモデルを結合した予測技法の枠組みにおける情報量規準の研究,最近著しく進歩したシーケンシャルモンテカルロ法で開発されたリサンプリング技法の展開を行った.基礎的研究としては,人工知能の分野で確立しつつあるBoosting技術と,20年ほど前に一時注目された擬ベイズ法やその後の諸ベイズ法との有機的融合の上に立つ,モデル統合のためのアルゴリズムの研究を中心に行った.あわせて,最近進展著しいシーケンシャルモンテカルロ法で開発されたリサンプリング技法の,人工知能分野への埋め込みとその新展開も行った. 具体的な応用テーマとしては,多数のモデルを動的に混合・切り替える方法の適用を基本的アプローチとして,大量人工衛星データの自動解析,High frequent financial dataの解析,Target tracking問題,動画特徴点の抽出・自動追尾問題,マーケティング分野におけるPOSデータ解析,GPSデータを用いた時間に依存した逆問題解法等に取り組んだ.当初の計画どおり,最終的には実際のデータを利用した解析をすすめ,モデル創出技術としての研究成果の確認と,社会的要請の高い新しい問題へ挑戦した.特にゲノム情報科学においてこの数年特に重要な遺伝子発現データであるDNAマイクロアレイの新しいデータ解析手法を開発した.アレイデータはケース数が数十である一方,特徴量ベクトルの次元が数千から2万程度にもなる,次元の非対称性が著しい特徴がある.このため,従来のクラスタリング解析手法は適用不能であった.我々は,因子分析の枠組みを拡張することで次元の問題を解決しつつ,安定したクラスタリングの結果と次元縮約を同時に達成する手法を開発した.この手法をもとにして,GUIに優れた結果の出力の可視化ソフトを開発した. 平成15年12月に国内外の専門家を招聘し,理論的研究成果と萌芽的な応用成果の発表を目的の一つとして国際シンポジウムを開催した.その機会に他分野,特に人工知能の領域の研究者との情報交換を積極的に進めた.
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