研究分担者 |
角 薫 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20332752)
來村 徳信 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20252710)
池田 満 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80212786)
稲葉 晶子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10304049)
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研究概要 |
1.基礎理論の強化:知識の体系化の根本は基本となる概念の同定と概念間の必須の関係の同定にある.そこで,オントロジー工学基礎論としてこれまで吟味してきた,基本意味リンクの意味論,概念同定の理論,関係概念に関する検討などのオントロジーに関する基礎理論の整備・強化を行い,理論としてまとめた. 2.ロール概念の理論:存在する多くの概念は状況に依存して決めるロール概念であるが,これまでロール概念を正しくモデル化することは行われてこなかった.ロール概念にはタスクから決まるタスクロールとドメイン内部の事情に依存して定まるドメインロールとがある.ここでは,主にドメインロールを扱う理論の構築を行い,より一般性の高い知識の組織化を行うための基礎固めを行った. 3.知識体系化の最終イメージの一般形の導出:学術振興会未来開拓事業の支援を受けて5年間行ってきた機能的知識の体系化ぷロジェクトの成果をまとめて,一般化することにより知識体系化の最終イメージの一般形を確定した.現在わかっている範囲では,数層からなる多層構造で,下半分が基盤オントロジー層,上半分はオントロジー層で定義された概念を用いた諸概念の定義からなる.そして記述される知識のTypologyが体系的記述の中心となる.また,基盤オントロジーでは,対象世界を眺める視点を概念化することが重要な役割を演じると予想された. 4.体系化のためのオントロジー構築ガイドラインのプロトタイプ作成:知識体系化のプロセスの前半は基盤となるオントロジー構築であるので,これはオントロジー構築方法論に準じてプロトタイプを作成した.そこでは,基本概念とロール概念の分離,is-a関係同定のための本質属性の認定,理論を形成するときに採用した「視点」の定式化,関係概念の扱いに関するガイドが中心となった.
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