研究分担者 |
亀田 能成 筑波大学, 機能工学系, 講師 (70283637)
中村 素典 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教授 (30268156)
角所 考 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教授 (50263322)
西口 敏司 京都大学, 法学研究科, 助手 (80362565)
八木 啓介 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助手 (60293940)
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研究概要 |
本年度は,講義アーカイブの自動獲得に関する,前年度までの成果を踏まえて,講義アーカイブの配信・提示機能の向上を目指した以下のような予備検討を行った. (1)講義状況に応じた講義映像配信機能の実現に関する予備検討 講義アーカイブを配信する際には,ネットワークの帯域に合わせて映像を圧縮する必要がある.このための方法には,映像の各フレームの解像度(空間解像度)を低減する方法と,短時間当たりのフレーム数(時間解像度を低減する方法がある.このとき,板書のように,動きが小さくかつ被写体が細かい映像に対しては,時間解像度に比べて高い空間解像度が要求される一方,講師の動きやしぐさを捉えた映像では,逆に空間解像度に比べて高い時間解像度が要求される.そこで本年度は,講義アーカイブの獲得過程で得られた講義状況の情報に基づいて望ましい時空間解像度を定め,その解像度に圧縮された講義映像を,ネットワーク帯域の動的変化に合わせて適応的にバッファリングしながら伝送するアプローチについて検討した.実験により,このようなアプローチの有効性が確認できたことから,次年度は,このアプローチを,実際の講義映像配信のための利用可能な処理として具体化・詳細化していく予定である. (2)指示情報の認識・提示機能の実現に関する予備検討 講義アーカイブでは,講師映像とスライドなどの教材が異なるウィンドウに表示されるため,講師が指示棒で教材を指示しながら講義を進めているような状況では,講師が教材のどこを指示しているかについての情報(指示情報)が欠落してしまう.そこで,講師の指示棒に位置センサを装着して指示位置を検出すると共に,指示位置を講義アーカイブ中で強調表示する機能を実現した.実際の講義では,指示棒の動きが指示動作とは関係ない場合もあるため,次年度は,このような可能性も考慮した処理について検討する予定である.
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