研究分担者 |
角所 考 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教授 (50263322)
亀田 能成 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (70283637)
西口 敏司 大阪工業大学, 情報科学部, 講師 (80362565)
村上 正行 京都外国語大学, マルチメディア教育開発センター, 講師 (30351258)
飯山 将晃 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助手 (70362415)
|
研究概要 |
本研究では,教室という場で情報メディアシステムがどのように人間を支援すればよいかを,実際に利用できるスマートクラスルーム(知的な教室システム)の構築をとおして明らかにすることを目的としており,本年度は,これに関する以下のような課題について研究を実施した. (1)講義撮影の影響・効果の分析 講義撮影やアーカイブの利用に関する教育上の影響や効果について,これまでに構築した講義アーカイブシステムの運用におけるアンケート調査を通じて分析した. (2)講義状況の認識 これまでに実現した講義自動撮影は,講師位置の計測に基づく追跡撮影であったため,講師が動くと画面が頻繁に変化してしまうが,遠隔講義や講義アーカイブ化の目的からいえば,講義映像は,むしろ講義の理解に必要な被写体を固定した構図で捉えていることが望ましい.しかし,このような映像を自動撮影するには,撮影すべき被写体が同じであるような講義状況を認識する必要がある.そこで,講義中の講師の行動内容の生起頻度が,各講義状況毎に特徴的な分布を示すことを利用し,これに基づく新しい講義状況認識アルゴリズムを考案した. (3)指示対象領域の認識 (2)の講義状況のうち,講師が教材を指示している状況では,さらにその指示対象も認識する必要がある.一般に,指示動作は,指示棒の動きと指示対象との関係によって4種類に分類されることから,各種類の指示動作毎に指示棒と教材,講師の身体動作の特徴を整理し,それに基づく指示対象の認識アルゴリズムを考案した. (4)受講者の出席状況の認識 講義アーカイブの有用性を高めるには,講義との相補的な講義アーカイブ利用が実現できる必要がある.このためには,講義アーカイブを閲覧する際に,講義への出欠が,コンテキスト情報として利用できることが望ましい.このために,講義中の受講者の顔を継続的に撮影することによる新しい顔認識のアプローチを考案した.
|