研究課題/領域番号 |
14208040
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 謙治 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (80159871)
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研究分担者 |
青木 洋貴 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (00322090)
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キーワード | 眼球注視インタフェース / ALS(筋萎縮性側索硬化症) / ミダス・タッチ問題 / 生活の質(QOL) / 眼球運動 / ヘッドトラッキング / 身障者向けインタフェース / プロトコル・データ |
研究概要 |
現在ITは一般ユーザのみならず、身障者や高齢者の生活の質(quality of life)の向上に対する大きな寄与が期待されている。しかしながら、現状ではコンピュータ・インタフェースがキーボードとマウスなどの入力方式が主流であり、手足の不自由なユーザは使用できない。そこで本研究は、ALS(amyotrophic lateral sclerosis;筋萎縮性側索硬化症)のような重度の難病患者のための眼球注視インタフェース設計の方法論と、それを利用したプロトタイプ・システムの構築を目指すものである。本年度の研究においては、以下の成果を得ることができた。 (1)眼球注視インタフェースの設計に関する全体枠組の設定と課題検討 眼球注視インタフェースの研究開発における先行研究のサーベイとともに、本研究全体の計画、ならびにここで目指すシステムの基本コンセプト、仕様を決め、これに必要な技術的課題を明確にした。 (2)眼球注視インタフェース設計の課題検討のためのタスク分析の実施 眼球注視インタフェース設計の重要課題ならびに必要要件や機能などを明らかにするため、タスク分析を実施した。このタスク分析(実験)において被験者の眼球運動データ、および行動や挙動のビデオデータ、プロトコル・データ(発話データ)などの実験データから、眼球注視インタフェースの有効性を確認するとともに、従来から知られているミダス・タッチ問題の存在なども確認した。 (3)眼球注視インタフェースのための効率的タイピング・インタフェースの構築と実験的評価 低コストの眼球注視インタフェースに適応できるような、ディスプレイ上に大きなキーエリアをもつ少数のキー・セットによる効率的なタイピング・インタフェースを構築し、マウス、ヘッドトラッキング・インタフェースなどと比較することより、その有効性を実験により評価し、概ね良好なことを確認した。
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