研究分担者 |
服部 克巳 千葉大学, 海洋バイオシステム研究センター, 助教授 (60244513)
楠本 成寿 東海大学, 海洋研究所, 講師 (50338761)
馬場 久紀 東海大学, 総合科学技術研究所, 助教授 (80256180)
鴨川 仁 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (00329111)
鷹野 敏明 千葉大学, 自然科学研究科, 助教授 (40183058)
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研究概要 |
本研究では広帯域・多点電磁界観測により電磁気異常と地震・噴火過程との関係を従来に増して明らかにすることを目的とする.このためには単なる時系列的対応にとどまらず,個々の電磁界変動がどのような地下の変化過程に対応するかを明らかにするモニタリング・モデリングを目指す.具体的には,電磁界計測アレーからのデータに方位探査の手法を取り入れ,変動がどの方向から到来してきたかを明らかにできる観測を実施する. そのために平成14年度には,これまでに無い高分解能(1pT),高サンプリング(128Hz)で連続観測できる3成分フラックスゲート型磁力計を開発し,予備観測を開始した.磁力計からのデータはISDN回線を用いて,FTPコマンドにより回収することができるのも大きな特徴である. 中部地方での電磁界計測での最大の問題点は,電車などからの漏洩電流等による人工ノイズの多さであるが,独立要素解析(ICA)や主成分解析(PCA)を始めとする最新の情報処理理論を活用する事により,相当程度の人工ノイズを除去できる可能性が見えてきた. さらに地震・火山噴火に関連した電離層異常についても,その存在は統計的には有意と考えられる成果が出つつあるが,現時点ではなぜ電離層に異常が現れるのかは不明であり,メカニズムについての理論的研究が次の大きなターゲットである. 世界的には地震火山活動に関する電磁気学的な研究はきわめて盛んになりつつあり,研究代表者が管理するメーリングリスト(Electromagnetic Studies of Earthquakes and Volcanoes (EMSEV))には全世界から300人を越える参加者が集まり,活発な情報交換がなされるようになり,平成15年1月にマニラで開催された国際ワークショップでは,本研究の代表者・分担者(長尾年恭,上田誠也,服部克巳,鴨川仁)が基調講演を実施した.
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