研究分担者 |
馬場 久紀 東海大学, 総合科学技術研究所, 助教授 (80256180)
楠本 成寿 東海大学, 海洋学部, 講師 (50338761)
佐柳 敬造 東海大学, 海洋研究所, 助教授 (40332308)
鴨川 仁 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (00329111)
服部 克己 千葉大学, 海洋バイオシステム研究センター, 助教授 (60244513)
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研究概要 |
平成14年度に備品として導入した3成分磁力計の1台を東海地方から東京都奥多摩に移設した.この観測点の新設により,既存の房総半島,伊豆半島とともに三角形の頂点をなす観測点が稼動することとなり,首都圏での地殻活動予測精度の向上に大きな進展がみられるものと期待される. 浜名湖周辺で発生しているスロースリップ(東海スローイベント)に対し,静岡大学,東京大学の研究者と共同で,別途予算で調達したGPSを約50点ほど静岡県西部,愛知県東部を中心に配備した.これによりスロースリップがどの程度想定東海地震の固着域にまで侵入しているのかについて,国土地理院の観測と併せる事により,より精密な情報が得られる事となった.さらに本科研費の目標の一つである力学的現象と電磁気学的な現象との相互関係を明らかにすることに資するデータが得られるものと期待される. データベースに関しては,当初計画どおり,千葉大学理学部にミラーサーバーを立ち上げ,東海大学と同等のデータセットを常時保有するシステムを構築した. データ処理では,独立要素解析(ICA)だけでなく,主成分解析(PCA)の固有ベクトルも解析できるようになり,2000年夏の三宅島噴火をきっかけとする激しい群発地震活動に伴い,ULF帯の電磁放射来方位を決める事にも成功した.地震学でいえば,トリパタイト(アレー)観測により,ようやく地震電磁気学の分野でも震源決定ができるようになったと言える.前駆的な現象は将来の地震発生の領域で発生している事は十分予測される事であり,地震電磁気学に大きな歩をしるすことができたと考えている.
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