研究分担者 |
中井 光男 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (70201663)
白神 宏之 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (90183839)
重森 啓介 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (50335395)
西原 功修 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (40107131)
宮永 憲明 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (80135756)
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研究概要 |
1.二重アブレーション構造の形成による流体不安定性の抑制 高原子番号の物質をドープしたターゲットでは,通常の電子熱伝導によるアブレーションに加えて,X線によるアブレーションが形成されることが以前から指摘されている.従来は不安定なアブレーション面が2つに増えるために,より不安定となり,レーザー核融合のためには望ましくない現象であると信じられていた.本研究グループはこの定説に対し,二重アブレーション構造が逆にレイリーテイラー不安定性が抑制される可能性のあることを指摘していた.レイリーテイラー不安定性の解明のために開発した高空間分解のX線半影結像とX線フレネルゾーンプレートにより,臭素をドープしたプラスチックターゲットを観測した結果,二重アブレーションが確かに形成されることを実験的に示した.さらにレイリーテイラー不安定性による成長を観測した結果,定説に反し不安定性が大きく抑制されていることを発見した.特に通常のターゲットで最も大きな成長が観測された短波長の擾乱は二重アブレーション構造によりほぼ完全に安定化されるという顕著な効果を観測した. 2.理論・シミュレーション 多次元輻射流体力学シミュレーションにより,二重アブレーションによる安定化を再現することを目的として研究を行った.2重アブレーション構造の形成は定性的には実験結果と対応したが,原子過程のモデリングの不十分さにより密度分布は実験より急峻になり,予測される不安定性は実験より大きくなった.今後原子過程の詳細なもでリングを検討することにより,この不一致を解決する必要がある. 以上の実験・理論の成果をまとめた論文は当該分野の著名な学術誌であるPhysical Review LettersとPhysics of Plasmasに掲載されることが決定した.
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