研究課題/領域番号 |
14208050
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 知 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10114547)
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研究分担者 |
大矢 恭久 東京大学, アイソトープ総合センター, 助手 (80334291)
門 信一郎 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助教授 (10300732)
長崎 晋也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (20240723)
米岡 俊明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40013221)
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キーワード | XPS(UPS) / FTIR / イオン照射 / 量子化学計算 / 欠陥 / 表面状態 / 金属酸化物 / 酸化リチウム |
研究概要 |
酸化リチウムに代表されるセラミックス増殖材料内の欠陥および表面とトリチウムとの相互作用、欠陥や酸化物のある変質した表面とトリチウムとの相互作用、および、エネルギー粒子照射によるトリチウム脱離・除染機構をその場直接観察と第一原理計算の組み合わせにより明らかにすることを目的としている。 平成15年度の成果は次のようにまとめられる: 1・リチウムセラミックス内照射欠陥と水素同位体との相互作用及び表面における水素同位体のその場観察 リチウムセラミックスに水素イオンを低温-高温で照射しつつ、O-H伸縮振動を透過型及び拡散反射型赤外分光測定で観察した。また、照射後の欠陥回復による変化についても観察した。この観察によってリチウムセラミックス中に存在する水酸基について欠陥との相互作用を含む存在状態、およびイオン照射によるエネルギー付与に伴って生じる欠陥への捕捉、欠陥からの移動、表面での存在状態などの知見が得られた。 2・TOF質量・速度分析装置を用いた脱離種の同定 加熱およびエネルギー粒子照射に伴って表面から脱離放出される化学種および放出速度を測定するために飛行時間型(TOF)質量・速度分析を作成した。表面を酸化させた金属等の試料に水を接触し、光、電子線照射によって放出される化学種の質量、速度を直接測定した。この測定によって、入射エネルギーがどのように表面、表面付着水に付与され、どのような化学結合の切断を伴ってどの化学種が放出されたのかの詳細な知見が得られた。 3・第一原理計算によるリチウムセラミックスバルクおよび表面における水素同位体存在状態の評価 第一原理計算を用いて、欠陥にトラップされた水素同位体の存在状態、および加熱やエネルギー粒子照射に起因する移動現象を研究した。計算は分子軌道法のCRYSTALコード、GAUSSIANコード及び密度汎関数法のCASTEPコードをそれぞれの特徴を生かして使用した。
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