研究課題/領域番号 |
14208053
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前川 孝 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20127137)
|
研究分担者 |
長山 好夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (10126138)
打田 正樹 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (90322164)
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (90183863)
近藤 克己 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (30026314)
|
キーワード | 球状トカマク / 電子バースタイン波 / 電子サイクロトロン加熱 / 電子サイクロトロン電流駆動 / ECH / ECCD |
研究概要 |
(1)マグネトロン(2.45GHz、5kW)を用いた従来の電子サイクロトロン加熱(ECH)システムに新たに同様のECHシステムを加えることにより入射電力を倍増して、計10kWの入射電力で球状トカマク形成を試み、最大で4kAを超えるプラズマ電流を立ち上げることに成功した。このプラズマについて、磁気計測によるポロイダル磁束形状解析、プラズマ可視像および軟X線CT像撮像を行い、大半径22.3cm、小半径16.6cm、アスペクト比1.34で、楕円度が1.38のプラズマ断面形状を持つ球状トカマク平衡が形成されたことを確認した。これは、球状トカマク平衡の初期段階に到達できたことを示している。 (2)上記のプラズマについて酸素および炭素イオンなどからの軽不純物線輻射線計測を行い、プラズマ電流が3kAを超えると、比較的高い励起エネルギーを持つ線輻射線(OV(72eV)、CV(304eV))からの発光が出現することを見出した。さらに、この電流い領域に達すると、プラズマ密度も上昇した。これらは、プラズマ電流の上昇とともにプラズマのエネルギー閉じ込めが改善されることを示している。 (3)上昇後のプラズマ密度は、プラズマ中心部でプラズマ遮断密度の数倍に達すること、プラズマ中心部が第2高調波電子サイクロトロン共鳴層にあることより、モード変換した電子バーンスタイン波による第2高調波ECHによりプラズマ平衡が達成されたものと推定される。 (4)以上の結果をさらに発展させるために、新たなECHシステム(2.45GHz、20kW、および、5GHz、200kW)の導入と整備を進めた。 (5)電子バーンスタイン波へのモード変換が最大になる入射電磁波の偏波をもとめる方法を定式化し、この方が有効であることを、数値解析により示した。
|