研究分担者 |
森下 一男 (川端 一男) 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60109353)
間瀬 淳 九州大学, 産学連携センター, 教授 (00023325)
稲垣 滋 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60300729)
徳澤 季彦 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (90311208)
田中 謙治 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50260047)
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研究概要 |
本年度はXモードのイメージング反射計(MIR)の実験を行った。昨年度,LHDの弱磁場アンテナにMIRを取り付けたところ,信号が得られなかった。本年度は,その原因の究明と装置の改良が主要な課題であった。そこで,LHDに取り付けた装置を解体し,全てのマイクロ波コンポーネントを取り出して,ベクトルネットワークアナライザ(本補助金で平成14年度購入)を用いて試験した。ECEイメージング(ECEI)とMIRの信号分離のため70GHz,45°ダイクロイックプレートを核融合科学研究所で製作し,60GHz以下の低周波部分を本ベクトルネットワークアナライザで,それ以上の高周波部分を九州大学で試験し,良好な特性を得た。マイクロ波回路,光学系も再設計し組み直した。九州大学ではFDTD法による電磁波シミュレーションコードを開発し,光学系の再設計に応用し最適化した。LHD内の弱磁場アンテナと同じ仕様のモックアップを実験室内に据え付け,イメージング特性をベクトルネットワークアナライザによって試験し,良好な特性を得た。そこで,LHDの弱磁場アンテナに改良したMIRを取り付けたところ信号が出なかった。IMPATT発振器の出力がLHD磁場によって遮断されることが分かり,電磁軟鉄による二重磁気シールド箱を核融合科学研究所で製作して取り付け,出力を得た。結局,極低密度でのみMIRの反射信号が得られた。これは電磁波シミュレーションによるとプラズマ中心のみでXモード波の反射面がアンテナ方向を向く,すなわち高密度プラズマでは真空容器内アンテナの角度が,MIRに最適化されていないことが分かった。これはトカマクでは起こらないヘリカルプラズマのみの現象である。そこで,遠隔制御による角度可変機構付きの真空容器内アンテナを開発することにした。LHD真空容器は年に1度だけ開くので,これらの改良も年に1度だけとなり,この改良の結果は次年度に判明する。本実験は世界初のヘリカルプラズマでのMIR実験となる。
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