研究課題
1.プラズマ閉じ込め装置(LHD;文部科学省核融合科学研究所)においてダイヤモンド検出器を用いた高速中性粒子測定を実施するため、設置可能な測定ポートを考慮しながら測定システムの設計検討を行った。それに基づいて、ダイヤモンド検出器とそれを取り付ける真空配管類、プリアンプ及びその電源、データ処理モジュール、等を整備した。2.上記の測定システムを閉じ込め装置に設置し、α粒子線源(^<241>Am;5.486MeV)を用いて検出器のエネルギー較正を実施した。波高分析によって鮮明なα粒子のピークを観測し、アンプのゲイン調整を含め2.3keV/chという較正係数を取得できた。3.合計3個のダイヤモンド検出器を用いて、高速中性粒子測定を実施し、視線によるエネルギー分布の違いを観測することができた。周辺部を測定する検出器にはプラズマ光の影響が現われ、多チャンネル化を進めるうえでスリットの設計が重要であることが明かとなった。4.核融合プラズマ閉じ込め装置(JT-60:日本原子力研究所那珂研究所)でダイヤモンド検出器を用いて高速中性粒子の測定を行うため、ダイヤモンド検出器を取り付けるためのフランジ、スリット等の製作を進めるとともに、真空排気を行うため既存の測定ポートの真空配管の一部を交換した。5.中性子、ガンマ線の放射線環境下となる核融合プラズマで測定を実施するため、中性子、ガンマ線を遮蔽するための検討を行った。JT-60の環境下では、ボロンを添加したポリエチレンを約15cm、その内側に鉛を約5cm設置することにより、中性子、ガンマ線の照射量を約1桁低減できることが明かとなり、今後、遮蔽体を設計する基盤ができた。