研究課題/領域番号 |
14208068
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小松 賢志 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (80124577)
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研究分担者 |
坂本 修一 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (60346070)
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キーワード | ナイミーヘン症候群 / NBS1 / BRCA1 / SMC1 / WRN / 相同組換え修復 / S期チェックポイント / ゲノム不安定性 |
研究概要 |
ナイミーヘン症候群(NBS)は高発がん性や染色体不安定性、電離放射線高感受性そしてチェックポイント異常を特徴とするヒト劣性遺伝病である。我々は既にチキンNBS細胞では相同組換え能に異常があることを報告した。この実験に用いたチキンDT40細胞は相同組換え能が異常に昂進した細胞株であるので、本計画ではNBS患者細胞の相同組換え能についてアッセイした。その結果、NBS1欠損細胞株では40%程度までに相同組換え修復能が減少していることが示された。この相同組換えを起こしたクローンの中で80%近くが異常組換えを起こしており、最終的にNBS患者細胞およびノックアウト細胞の正常な組換えは10%未満であった。またNBS1蛋白のN末およびC末側の欠失による相同組み換え修復の顕著な低下が示された。一方、N末およびC末側の欠失は、姉妹染色体間の相同組み換えに重要なコヒーシンSMC1とNBS1との結合、ならびにS期チェックポイントに必要なSMC1リン酸化の阻害をもたらした。一方、N末およびC末側の欠失は放射線照射後の高頻度の染色体異常を誘発することから、SMC1との結合ならびにそのリン酸化の異常がNBS細胞のチェックポイント異常と染色体不安定性の原因と思われる。また、NBS1は、上記の蛋白に加えて、BRCA1およびWRNなどの修復蛋白と放射線照射後に細胞内損傷部位で結合した。本研究では、NBS1およびその各種変異体クローンを用いて解析した結果、蛋白N末側のFHA/BRCTドメインの機能を中心に修復ネットワークならびにNBS/ATMの相同組み換えおよびチェックポイント機能に関する有用な知見が得られた。
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